裏の厨房で反省してます

許して アタシのでたらめ人生

おばさんバイト、新人くんに刺激を受ける

暑っーい!
コンクリートジャングルの新宿に住む富士子(45歳)。
よそのビルの室外機の熱風で、鯵の開きが作れそう。


バイト先の居酒屋厨房に、新人君が入ってきたよ!
イエーイ!!

前回の新人・アントニオが入ってきたのは、今年1月のこと。
当時、「役立たずのおばさんはクビか!?」
と怯えた富士子でしたが、今回は、そんな不安を感じませんでした。

役立たずなりに、馴染んできたんじゃないか?
仕事はさておき、雰囲気的に必要とされてるんじゃないか?

なんていう、甘い見通しを自分に許してます。


しかし、気をつけて富士子!
人間、こういうときが危険なのよ。
怯えや不安が減ったかわりに、油断や増上慢が顔を出しやすいの。


ちょっと写真を撮ったり、フェイスブックに関わったところで、
肝心の厨房仕事はヘマ続きなんだから、初心を忘れず精進しないと。


ってわけで、新たな心がけを学ぶ新プロジェクト発動。

その名も、

「新人君の初々しさを、再び身に着けちゃうぞ作戦!」


新人君は、2名。

愛之助くん(仮名・推定28歳)
前職はダンサー!
誰もが知ってるハイレベルなステージで踊ってた実力派。
どういう風の吹き回しで厨房に来たのか、聞いてはいませんが、
厨房経験者だそうで、包丁さばきもなかなか。


トミーリーくん(仮名・推定27歳)
現役ドラマー!
厨房は初めてだけど、物覚えが良く、
細かいことに気が付いて、自ら学んでいくタイプ。

 

レシピを教わって、緊張しつつ必死にメモしている様子はとっても初々しい。
あたしも必死さを取り戻そうっ!って思いました。

先輩たちの一挙手一投足に注意を払い、
作業を先読みしようとしているのも好ましい。

うん、あたしも人の様子をもっと観察しなくちゃ!


作業の合間に、こっそり、のびをしているのも目撃。
いかにも、張り詰めた糸が切れました的な抜けたポーズに
見ているこっちが癒されました。

こういう隙を見せるのも、好感度アップにつながるわね。


いやー。
参考になるわー、新人君ウォッチング!


愛之助くんは、厨房で一番ヘビーな「裏場」の作業を担当。
ルドルフ先輩に指導を受けてます。


トミーリーくんは、サラダ場の担当。
さっそく、ババロアやミルクプリンのデザートも作ってます。


二人とも、頼もしいっ!


あたしの観察によるとね…
音楽をやっている人って、厨房の仕事がすごく馴染むのよ。
包丁さばきも手さばきも、すごくリズミカルで、きれいなの。

金髪バイトの天使くんも、アントニオも、ミュージシャン。
新人のトミーリーくんもドラムやってるしね。

ダンサー愛之助くんも、身体能力の高さが、体の動きに出てる。
身のこなしに無駄がないの。


なんだか…
一気に厨房のレベルが上がった気がする!!


これはすなわち!

富士子のハーレム度が上がった、っつーことです。
ええ、はい。
ごめん遊ばせ。


ってな話を、二丁目のお友達にしたんですけどね。

「精神がただれてる」って怒られました。

 

初々しさを身に着けるプロジェクトのはずが、
おばさんニヤニヤ物語になってしまった…。


反省!


で、気分を変えて新プロジェクトを立案しました。
「ブランニュー富士子育成作戦」


・包丁研ぎを覚える
・大根のかつらむきの秘密特訓をする

うふふ。どうよ。

フェイスブックに夢中で、写真ばっかり撮ってると思わせて、
厨房でも役に立つ技術をこっそり磨いちゃう!

 

これね、先週から始めたんですけどね。
問題は、ブログを書く時間が全然ない、ってことです。

やることが増えると、何かを削る羽目になる。
のろまの宿命です。

 

新人くんが入るのって、雰囲気が刷新されてすごくいいよね。
あたしも、自分を刷新していくわ。


更新が遅れ気味なのに、読んでくれてありがとう!

あたしのやりたいことも、みんなのやりたいことも、
いつか、きっと、うまく行きますように!

 

おばさんバイト、あたしの居場所

 

ちょっとー!

「仕事ができないおばさんの居場所」で検索してここに来た人ー!
正直に手を上げてー!

仕事ができないおばさん全日本代表、富士子(45歳)です。

ようこそ、「裏厨」へ。

きっと、藁をもすがる思いで、友を探すネットサーフィンの旅に出られたのでしょう。
たどり着いたあなたに、勇気と自信をプレゼント!

 

 

この前ねー。
バーのバイトでねー。
衝撃の予告があってねー。


あたしのバイト先のバーは、新宿ゴールデン街にあるんだけどね。
一昔前は、出版系とか映画製作系の暴れん坊が棲息する、
お店も客も、とんがってた街なんです。

一見さんはお断り、お客が独りもいなくても、
「は? 初めて? 満席だよ」
って、くわえタバコの掠れたマダムに追い返される、っていう、
商売っ気はないけどプライドはある、なかなかシビアで愉快な街だった(らしい)。

ところが!
最近は、一見さんもウェルカムの、話のわかる街になってきたらしいんです。
ま、この不景気ですし。それはいいんですけどね。

 

「富士子さんって、誕生日はいつでしたっけ?」って、ママが。

「11月です」

「あらー、あずさちゃん(22歳)と重なるわねえ」って、ママが。

「お客さんが困るわねえ」

「二人、一緒にやる?」って、ママが。


ちょ、ちょっと。一体何の話ですか?


「ボトル、どれくらい空くかしら?」

「富士子さん、がんばって」って、ママが。


は? 祝えと? お客さんに祝ってもらえ、とな?

「まあ、稼ぎ時ですからね、誕生日」って、ママが。


なんじゃそりゃー!!
ゴールデン街って、そんなイベントやってんのかー!?
キャバクラじゃねーかっ!

 

もうねー、往年のゴールデン街のプライドはいずこへ?
って話ですよ。
誕生日にボトル開けるとかって、もう、なんの、どこの、ノリなの?


「今は、働いてる若い子も多いし。けっこう誕生日やるんですよ」
「まあ、富士子さんだって、頼めば空けて貰えるかもしれないし」


って、頼まなきゃダメなのー?! マジかー?!

 

ってかさー。
あたしをいくつだと思ってんのよ。
45歳真っ只中ですよ。

次回の11月で46歳ですよ。
誰が祝いのシャンパンなんか開けるかよっ!!


そもそも、客なんて一人もいねーっつーの!!

4時間待ち続けて、一見さんお一人様がやっと。
って、あんた、知ってんでしょーが!(あんた=ママ)


「去年ね、メイちゃん(20歳)が半年で誕生日迎えてね、結構ボトル空けたのよ」
って、言われてもねえ。

あたしは、メイちゃんではありません。

そもそも、あたしは妖怪枠だったはず。
妖怪には、誕生日なんてないはず!


もうねー。
生きて辱めを受けるべからず。ってねー。

ボトルを頭で勝ち割るショーとか、やっちゃおーかなー。
で、自分で飲んじゃうの。

待ち続けて辱めを受けるくらいなら、突撃していこうかと。


まさかねー。
そんなショーアップなバースデーを迎えるとはねー。
想定外だったけどねー。


「仕事ができないおばさんの居場所」けっこう、シビアです。

検索してココに着たあなた。
勇気が出ましたか?

置かれた場所で咲きなさい。
あたしよりは、ずっとマシでしょう。


もう、ほんっと、どうなの、あたしの人生!!

 

 

おばさんバイト、炎上騒ぎ

失敗から学ぶ、っていうけどね。
同じ失敗を繰り返すあたしに、学ぶ余地はあるのか?

以前、「お肉の串の箱をエレベーターに入れっ放し」事件が
2回続いたことをご紹介しました。

今回ご紹介するのは…

「豚バラ肉の串をスモークしたらスモークチップが炎上」事件です。

もうね、ブォォォっ!て、火柱があがった。
よかった…。前髪が燃えなくて。

って、そうじゃないでしょ。

いっそ、燃えちまえ!
っていうキッチン男子の心の叫びは聞こえたけど。

 

バラ肉は脂分がとっても多いので、炭火で焼くと旨みがにじみ出て
ジューシーな味と歯ごたえを楽しめます。
それをさらに、サクラのチップでスモークすると、香ばしさが加わって
舌も鼻も満足する逸品に!


そのスモークをするのが、焼き場の仕込み担当:富士子の重要ミッション。
もうね、半年以上も、このミッションに携わっているわけです。


スモークチップは、そのままでは燃え上がったりはしません。
なにゆえ、燃えちゃうのか?!


スモーク用の鍋に、チップとバラ肉を入れて燻す

燻されたバラ肉から脂が出てくる

スモークチップに、脂が滴り落ちる

高温で熱し続けると、チップが火種になってしまう (ココがまさに火種)

蓋を開けると、二酸化炭素が流入

チップが大炎上!


要するにね、スモークする火力が強すぎるわけ。
過去、キッチン男子のルドルフ先輩、アンディ、料理長、と
3人に注意を受けたにも関わらず…

今回もやっちまった。

あまりの火柱に恐れをなして、なすすべのない富士子。
そばにいた天使くんが、火に手を突っ込んでバラ肉を救出してくれたよ…
鎮火もしてくれた…

あんた、ホンマに天使や。惚れてまうやんかー!!

なんて、ボケをかます余裕は全くなかった。
ごめんなさい。ありがとうございました。

普通は、表をスモークしたら、裏っ返してまたスモークするんだけど、
表の段階で炎上したので、裏までけっこう火が通っちゃった。

「ちゃんと香りがついたかしら…?」って言ったら、

天使くんが、くんくんとにおいをかいで、

「普通に、お肉が焼けてるにおいがする」

って言うんで…、使えなくなりました…。がびーん!

料理長(かっこいい)が、遅番でいなかったのが救い!
せめてもの救い!
不幸中の幸い!

 


それから数日後。

いやあ、なんでかなー。
懲りたはずなのに、なんでかなー。

またも、炎上しちゃったんだよねー。

ちゃんと、火を弱くしたつもりだったんだけど、まだ強かったんだねー。

今回は、火柱っていうほどの大炎上じゃなかった。
バラ肉は、自分で救出できたんだけど、火が消えなくてねー。

ルドルフ先輩が、フライパンを蓋代わりにして鎮火してくれました。

ありがとうございます。助かりました。

 

で。

冷ややかに隣で見ていた料理長。

ごめんなさい。

一番近くにいながら一切手を出さず、一言も発せず、
だまって仕事を続けていた姿が、超怖かったです。

でもでも、あのですね、今回は救出が早かったから、実害はなかったッスよ?!

なんつって。

そういう問題じゃないですよね、わかってます。
台風が連続して上陸!みたいな、勘弁してくれ案件ですよね。

よくわかります。
すみませんっ…!

 

もうね、Facebookで失敗するのとは、全く違うレベルで凹む。

あたしは根っからのバカなのか?
不注意欠陥症候群とかなのか?
生まれつきこんなだったのか?
そういえば、そんな気もするし…

確かに、事務の仕事のときも、何か抜けることはよくあった。
うっかり選手権があったら、代表に選ばれるレベルではあった。

ただ、業務全体で見れば、うっかりをカバーできるポイントも多くあったし、
フォローしてくれるアシスト役の子がいたし、
致命的なミスに膨れ上がることはなかったの。
幸いなことに。

が、しかし!
ここ厨房では、あたしのうっかりはそのまま損害に直結。
食材はもちろん、時間もロス。


半年以上経つのに、こんなミスをするなんて。
なんか…向いてないのかも…。


ううう、でも辞めたくないんだよう!

料理長、ごめんなさい。
反省してます。

スモークがあるときは、指さし確認します。
駅員さんみたいに。

だから、見捨てないでー!

 

明日(ってか、今日)も頑張ります。

おばさんバイト、ブログ8ヶ月経ちました

 

会社員をしていたのは、もう2年近くも前なんだなー。

ちょっと過去を振り返ってる、富士子(45歳)です。自称フリーターです。
居酒屋さんでバイトを始めて、はや9ヵ月。
ブログを始めて、8ヶ月。

人気ブロガーさんって、「○ヶ月経ちました」って区切りエントリを書いてるよね!
あたしも、あれを真似してみるよっ。

つってもねー。
とうに忘れてる、ブログを始めたころの新鮮な気持ちをリメンバー!
っていう、45歳な企画だよ!


バイトを始めたあの頃…。

PCと電話のある自分のデスクでの仕事から、立ちっぱなしの水仕事へ。
それなりの裁量権のある立場から、ただのパートのおばちゃんへ。
年齢相応の年収から、時給900円の暮らしへ。

ちょっとした、異文化への旅に出たあたし(当時44歳)。


あたしの仕事は、串焼きの串の補充と、野菜やお肉の串打ちをすること。

最初の3ヶ月は、ひたすら野菜を串に刺すだけの作業に、すっかり時間の感覚を失い、
毎日めまいを起してたもんです。

知ってた?

人間ってね、本当に辛い時って、自然と歌が出てくるのよ。
知らない間に、歌を口ずさんでるの。

口を動かして、喉を鳴らして、メロディを声に出すと、
真っ白になっていた頭と心が、ゆっくり動き出すの。
錆びたところに、油を差したみたいにね。

これね、文学的に表現しようとしてるんじゃないの。
マジで、リアルに、本当のことなのよ!

 

自分が歌を歌ってる、って気が付いたのは、1ヶ月くらい経ったころだと思うわ。

「遥かなるスワニー河」(フォスター)← 小学校の音楽の時間に習った
「それが夢ならば」(小椋桂) ← アニメ「マルコ・ポーロの冒険」エンディング

なんつーか、切ない系。


「え?あたし今歌ってた? やべっ、黙んなきゃ!」
って思うんだけど、いつの間にかまた歌ってて、ネバーエンディング。


もうねー。
ちょっと、おかしくなってた。
歌いながら、すごい時間をかけて椎茸を串に刺してるおばさん、って軽くホラーよね。
キッチン男子たち、おびえてたと思う。


ま、その頃ってさー。

椎茸を串に刺すことさえ上手くできなくて、
何度やってもズレちゃって、焦っているときに先輩に舌打ちされて、
手にした串を取り上げられて、やり直される。

みんなが仕事を終えて賄いの準備してるのに、あたしだけ終わんなくて、
「もうおしまいにして帰っていいです」って、
今度は料理長に、手にしていた串を取り上げられる。

この繰り返し。


もうねー。
こんなはずじゃなかった!な毎日。

きっと、心のどこかで、時給900円の仕事なんて楽勝、って思ってたのよね。
自分で選んだ仕事なのに、バカにしてたのよね。
そうじゃなけりゃ、ここまで惨めにならないもん。

あたしが、どんだけ驕ったバカだったか、って話よ。


3ヵ月くらい経った頃かなー。気が付いたら、歌わなくなってたの。
相変わらず仕事は遅かったし、みんなに負い目はあったけど、
ようやく、惨めな気持ちから開放されたみたい。


で、その間に一体何があったかって言うとね。

なんと、このブログを始めてたのよ!!


ブログなんてわかんないから、友だちに手紙を書く気持ちで、ただ書いてただけ。
赤毛のアンって、そんなことやってなかった? 厨二病?っつーんですか?)


惨めな気持ちから抜け出すのに、「書く」のってすごい助けになったみたい。
厨二病だからか?)


そしたら、思いがけず!
コメント頂いたり、読者登録してもらったり、応援してもらったり!

すっかり、マッチョなポジティブっ子に成長して、今に至ります(笑)


いらして下さるみなさま!!

センキュー! ラブユー! 心から!!


「書く」のを止めたら、心も折れちゃうかもしれないから、これからも続けるよ!


そっからね、「書く」のって、すごい癒し効果があると思うから、おススメよ。
あたしの「裏厨」は、半年以上やってて8000アクセスっていう超過疎ブログだけど、
それでもやってて良かったよー!

そんな鄙びたブログにきてくれる皆さんに、もう一度、センキュー!!

 

おばさんバイト、肉のコースをFacebookに載せたい!最終回

 

あたしの「お肉の特製コースをFacebookで紹介したい作戦」。

食材の写真は、無事に撮影できて(あたしじゃないけど)、後は文章を書いて
UPするだけ!

やっとここまでたどり着いたぜ!


と思って、改めて手元の素材をよくよく眺めて気が付いた…。

食材写真は、全体に黒っぽいシックなトーンで、重厚感がある。

一方のお品書きの画像は、白地に墨文字だけのシンプルな構成。
サーロインの立派な写真と並べると、どうしても、スカスカ感が出ちゃう。

うーん…

何か手を加えた方がいいかも。

そうね、地色を加えてみるとか…
「お品書き」っていう見出しも欲しいわね…
Facebookのタイムラインに表示されるとき、画像が切れないほうがいいわ…
正方形に仕上げた方がいいな…
うん、結構いい感じになるんじゃない!


またも、夢が膨らむ富士子。


でも、一体どうやって?

あたしはデザイナーじゃないのよ。デザインできないし、第一、ソフト使えないじゃん。
人が作ったものをあーだこーだ言うのは、会社員時代に経験があるわ。
でもね、自分の手を動かしたことはないのよ。いつも口を出すだけ。
今思うと、それが仕事とはいえ、傲慢だったわね。
ちょっとは、作り手のことを考えるべきだったわ。

…と、うっかり過去にまでさかのぼっちゃって。


いやいや、落ち着け、富士子。
これさ、年賀状を作れるスキルがあれば大丈夫じゃない?
もともと入ってる画像編集ソフトを使ってみたら?フリーソフト探してもいいし。
いくらでも、やりようはあるはずよ。


・地色を入れる
・「お品書き」の文字を入れる
・正方形にリサイズ

たったこれだけなんだから、きっとできるはず!

 

よし!(と立ち上がる)

あたしの出番よ。

カメラマンの立場を失った今こそ、踏ん張り時よ!


まずは、windowsに入ってる、「ペイント」ってソフトを開いてみた。
案の定、よくわかんないけど、そんなの想定内よ。
あたしにできるのは、「諦めないこと」だけ。
がんばれ、富士子!


PCにかじりつくこと数時間。
わからないことがあるたびに、ググったりヤフったり(造語)。

ざっと4時間かけて、ようやく、それっぽい形になってきた!

5時間後には、「お品書き」画像データのいっちょ上がり!

余白にお店のロゴを入れる、っていうイカした技も使ってみたよ!
イエーイ!

いやー、素人の手作り感、満載だけどね~
レベルの低さは、隠しようもないけどね~
お店のFacebookって、素朴なほうがいいっていうし(本社の広報談)、
そこは、ノープロブレム、ってことで!

 

ああ、出来上がったこの喜びを誰かと分かち合いたい!


というわけで、料理長(かっこいい)にLINEで送信。
もちろん、「修正箇所があればご指摘下さい」って、あくまで業務風に、よ!

そしたらね~

「いい感じに仕上がりましたね」ってお返事が!
「ゆっくり休んで下さい!ありがとうございました」って、ねぎらいの言葉が!


ヒャッハー!
よかったー、がんばって!

出来上がっただけでも充分満足だけど、そう言ってもらえると、嬉しさも倍増だよ!

もう、たいへん満ち足りた気持ちで、その日はぐっすり眠りました。


その後…

記事の文章は、料理長(かっこいい)と相談しながら、富士子が書きました。
夢のコラボよ、うふふ。


そしていよいよ。
朝、出勤して一番に、UPしました~
イエーイ!


ところが…!!

タイムラインに、画像が切れないように表示したい!
と思って、画像のリサイズまでしたのに…

あかんかった…
「お品書き」もお料理写真も、バッサリ切れてた。

画像のファイルサイズが大きすぎる?! 
と思って、投稿し直したのですが、やっぱりダメでした。


その上。
本社の広報担当者から「残念な感じですね(笑)」ってメールが…。
「2枚まとめてUPしないほうがいいですよ、料理写真だけで良かったのでは」
っていうメールが…。

超凹んだ…


でも、うん、確かにその通りだったかも。
せっかく手書きの文字を書いてくれた、大黒さんにも申し訳なかったなぁ。

その日、気分を変えようと思って焼酎を飲んだけど、美味しくなかったよ…。

 

というわけで。

無事にUPできてとっても嬉しい反面、課題も残りました。
これを生かして、次回につなげていくわ。45歳に、凹んでるヒマはないっ!


それに、あたしはFacebook担当(自称)。料理長専属のね(自称)!
あたしがもっと良くすれば、料理長が良くしたのと同じことだもん。

これからも頑張って、きっと、役に立つわ。

 何が起きても、七転び八起き!

えいえい、おー!


長文シリーズにもかかわらず、読んでくれてありがとう。

不安で心細いことも多い生活だけど、書くことと皆さんのコメントで、力を得てます!

本当にありがとう。
(最後にちょっとマジ。えへー)

 

 

おばさんバイト、肉のコースをFacebookに載せたい!その3

 

あたしの「お肉の特製コースをFacebookで紹介したい作戦」。

 

コースのお品書きをUPしたい ← 大黒さんが筆で書いてくれた

料理長(かっこいい)のお料理写真をUPしたい ← 撮影できることになった


順風満帆!


早速、料理長(かっこいい)にクールな無表情で

「明日撮影するので、カメラを持ってきてくださいね」

って指示を頂きました。

「はい」と真面目にお返事したけど、実はかなり浮き足立っちゃってる富士子。

 

富士子:「何を撮影するんですか(ワクワク)?」

料理長:「いや、まだ考え中なんですけどね」


そっかー。シュミレーション練習が出来ないなあ。
ま、今回は料理長にお任せでシャッターを押せばいっか。

料理長は、撮影のときに、背景やレイアウトをちゃんと考えてくれるんですよ。
テキパキと準備してるのをびっくりしてみてると、
「俺、何でもできるんですよ」って、自分で言って笑ってるの。ステキでしょ。


またあの楽しい撮影タイムがあるんだわ!と思うと、うちに帰ってからもワクワク!
あまりの興奮に、業務連絡専用にしてたはずのLINEで、

「明日楽しみにしてます」

なんて、打っちゃったよー! きゃー、バカバカ!

 

したら、お返事が来てね。

「明日は1時から撮影するので、それまでに仕込みを終わらせて下さい」

って、なにそれ!


あたし、いつも2時半までかかってるのに…。
1時なんて無理に決まってるじゃーん。
あんた、一番わかってるじゃーん!(あんた=料理長)

 

LINEにはさ、「いつか使ってみたい」っていうスタンプがあるよね。
あたし的には、ブラウン(っていうキャラ)が「ムリ!」って看板を持ってるのがそう。
いつか誰かに、このスタンプを一発使ってみたい、って思ってたんですが。

まさに、今がそのときじゃない?

でも、さすがに失礼かしら? ババアのくせに!って思われるかしら?
でもでも、普段、スタンプなんて使わないから、お茶目なアタシを演出できるかも?

って、逡巡の末…


「ムリ!」スタンプ、送信しちゃいました!
きゃー!


が。
まさかの既読スルー(当然か…)。

 

やっぱり、失礼だったかも。何しろ相手は厨房で一番えらい人なんだし…。
寝る前になって、やっぱりすごーく気になって、

「明日は仕込み頑張ります。よろしくお願いします」

って礼儀正しい感じで送信して、もう忘れよう、と布団をかぶって寝ました。
(ちなみにこれも既読スルー)


さて、撮影当日。

料理長が用意したのは、おおぶりなサーロインやブランド豚、茶豆やアスパラ。
それを、大きな笊にきれいに飾っていく。

調理済みのお料理じゃなくて、素材を見せるってわけね!
さすがのアイディア!


でも、あたしは、イベリコ豚のカットが終わってなくて、料理長の方に行けないまま。
呼ばれるまでに終わらせなきゃ、と大慌て!

セッティングが終わった料理長は、

「富士子さん、カメラ貸して下さい」

って、料理長自ら、ファインダーを覗いて構図を確認してた。


さすがだわー!
光の具合を確かめているらしい料理長(かっこいい)。
位置を微調整して、何度も確かめてる。

ホントに何でもできるんだなーって、つい見惚れてたら…。

なんと、そのままシャッター押して撮影してた。料理長が。

 

え? 


「こんな感じでいいかな」って、満足気な料理長。

「うん」って、自分でうなづいて、片付け始める料理長。


えええ?


まさかの撮影終了?!
まさかの、富士子はいらねー、って展開?!


イベリコ豚を片手に、立ち尽くす富士子。

そ、そんなー!
マジかー!?

 

あーあ…
「ムリ」なんてスタンプ、送らなければよかった…!!
何が何でも、仕込みを1時に終わらせればよかった…!!


あたしだって、ちょっとは役に立ちたかったよう!


うえーん!
近年まれに見る、うえーんだよ!!

 

しかもねー、けっこう良かったのよ、料理長の写真が。
今までの、あたしの秘密の特訓はなんだったの…?

ふー。

 

でも、ま、ステキな写真が出来上がったし、終わりよければすべてよし。

だよね?


この日は、焼酎かっくらって、とっとと寝ました。


次回は、富士子名誉挽回の巻。
おやすみなさーい!

 

おばさんバイト、肉のコースをFacebookに載せたい!その2

 

毎日毎日、雨ばっかり!
ま、引きこもって考え事をするには、ちょうどいいわね。

ほぼ、その日暮らしの富士子(45歳)です。
一日の食費は1000円。
けっこう、リッチっしょ!


さて、バイト先の居酒屋さんで今月から始まった、お肉がたくさんの特製宴会コース。
これを、Facebookで紹介したい、と目論んで数日。

普通に考えたら、

コース全体のお料理の写真を撮って、UPすればいいじゃーん! いえーい!

って悩むことなく前進するところですが…。


そうはいかないんッス。

あたしが撮影したお料理の写真はすべてNGになってしまい、使えるのが一枚もない。

 

では、料理写真を使わず、コースを紹介するには、どうすればいいか?!

富士子は、ない知恵を絞って考えたよ。


この特製コースね、珍しいブランド豚をしゃぶしゃぶサラダや串焼きで食べられる上に、
和牛のサーロインもガッツリ出てくる充実のラインナップなの。

こうなったら、せめて文章でいいから、コース内容を紹介したい!

そんなら!

「お品書き」を画像にしてUPしちゃえ!

うふふ、我ながらいいアイディア。

 

っつっても、一体どうやって?
ワードで打って、画像データにする?
いやいや、お料理名を羅列しただけじゃダメでしょ。
レイアウトとか、ちょっとは考えないと。
でもさ、あたしに別にデザイナーじゃないし、そんな技量はないじゃん…。


どうする?
どうしたらいい?


あ、そうだわ!
お店には、アドバイザー大黒さんがいるじゃない!


……アドバイザー大黒さんについて…………………………………………………………
メニュー構成や仕入れ、店内装飾まで、広くコーディネイトする謎のおじさん。
営業中の厨房も手伝ってて、現場の事情に精通してる。
筆ペンを使ってメニューを手書きしてくれるんだけど、味があって超ステキなの。
体型も毛髪も豊かで、ひげを生やしてるが、チョイ悪ではない。むしろ仏系。
………………………………………………………………………………………………………


大黒さんが、筆のタッチで、和風の風格あるメニューを書いてくれたら…!
それをスキャンしてデータにして、UPできれば…!

夢が膨らむ富士子。


でもなー。あたしが頼む訳にいかないしなー。
だって、ただのパートのおばちゃんだし。
ここは手順を踏まないと。


で、料理長(かっこいい)に相談。

富士子:「コースのお品書きを紹介したらどうでしょう。チラシみたいに。
     あたしはデザインできないけど、ワードで書いてみるとか」

料理長:「デザイン? ワード? 富士子さん、やるんですか?」


富士子:「あ、いや、出来ないですけど、あの、言い出した以上は、やってみます!」


料理長:「大黒さんに頼んだ方がいいんじゃないですか?」


富士子:「えっ! いいんですかっ?」


おおお! 

「富士子にできるわけがない」という前提を利用したら、いい感じの展開に!


そして、なんと。

数日後には、大黒さんの手書きメニューのデータがあがってきた!

料理長(かっこいい)が、すぐに頼んでくれてたのよ。さっすがー!
大黒さんも、ちゃちゃっと書いてくれた上に、ちゃんとデジタルデータにしてくれたよ!
みんな、とってもやり手だよねー(あたしを除いて)。

 


「釜揚げ茶豆」
「完熟トマトのだしあん仕立て」
「萬幻豚厚切りバラ串」
「白金豚燻製ロースト」

抑揚の効いた墨の筆跡で書かれた、美味しそうなお料理の名前を眺めてたら、とっても嬉しくなっちゃった。


大きな寸胴で、色よく茹でられた湯気の上がった茶豆。
ひとつずつ、お湯に入れて氷につけて、そっと湯むきされるトマト。
何時間も前から熾した炭火で焼き上げられた、甘い脂のバラ串。
スモークしてからじっくり焼かれた、大きな豚肉の塊。

真面目で無口なキッチン男子たちが、毎日毎日、丁寧に作ってるご馳走。

あたしの夢とか希望とか、そんなものまで詰まってる、厨房のご馳走。

 

ああ、やっぱり。

やっぱり。

料理長(かっこいい)が用意した、お料理の写真が欲しくなっちゃった!

だって、お品書きだけなんて、焦らしすぎ!
お料理を見たい。
できることなら頬張りたい。
お客さんにも、そう思ってもらいたい!


こうなると、止まらないのがあたしの悪い癖。

 

次のステップを相談という形で、料理長(かっこいい)に迫る富士子。

富士子:「お品書きだけでも、充分だとは思うんですけど…。どう思います?」

料理長:「うーん。」

富士子:「やっぱり、イメージがわかないですかねー、お品書きだけだと」

料理長:「そうですね…。」

富士子:「お品書きの画像と写真と、2枚UPもできますけどね」

料理長:「何とか、写真も載せたいですね…。考えます」

 

いえーい!!

数日後には、お料理の撮影をすることが決定したよ!
一体何を撮るのかは、料理長(かっこいい)にお任せ。

ドキドキワクワクの撮影は、また次回!

 

※今日の失敗
料理長の仕込んだお肉を、冷凍庫じゃなくて冷蔵庫にしまっちゃいました。
うちに帰ってから気が付いて、慌てて連絡しました。
とほほー!

 

おばさんバイト、肉のコースをFacebookに載せたい!その1

野菜を食べるのは健康にいいよ!
でもね、お肉もけっこう捨てがたいよ。
とりわけ豚肉。ビタミン群が豊富に含まれて疲労回復に役立つの!

 

さて、バイト先の居酒屋で、新しいコース料理が始まりました。

これね、ただのコースじゃないの。


高級豚肉と牛肉をたくさん堪能できる、お肉をフィーチャーした特選コース!
料理長(かっこいい)も力を入れているイチオシのメニューよ。


となったら!
Facebook担当(自称)のアタシも、ここはひとつ頑張りたい。

人肌脱ぎたい。(字、あってる?)


といってもね、今まで一品料理しか記事にしたことがない富士子。
コース料理を紹介するなら工夫が必要よ。


どうしたらいいかしら…。


実はね、前から、気になってたことがあるのよね…

うちのお店ね、季節ごとにコース料理を作ってるんだけど、ぐるなび食べログでしか告知してないの。
あとね、チラシを作って店内で配布してるだけ。
お店のホームページとか、Facebookでは、紹介してないの。

ちょっと、もったいなくない?

本社の販促部署的には、
・費用対効果を考えるとそれで充分、とか
・マーケティングの結果、それ以外でやる意味がない、とか、
お考えがあるんだとは思うのよ。

でもね、あたしはね。
みんなが一生懸命作ったお料理だから、一人でも多くの人に知ってもらいたいのよ。
あらゆるチャンネルを使って、告知して欲しいと思ってるの。


厨房スタッフは、ズバリ、一日12時間労働なのよ。
とりわけ、料理長(かっこいい)や、ルドルフ先輩は社員だからね。
気楽に休めるバイトと違って、週休二日ですらない。

それでも、お料理が好きだから、って二人は黙々と仕事をしてるの。

ちょっと、すごくない?

厨房だけじゃないわ。
飲み物担当のホールの子たちは、100種類以上の焼酎や、50種におよぶ飲み放題のドリンクを正確にサービスしてる。
店長の几帳面な在庫管理のおかげで、いつでも不足なくお客様に出せるのよ。

それって、すごくない?

そんな彼らの作るコース料理、あたしはもっともっとみんなに食べて欲しいわ!
美味しい焼酎やたくさんの飲み物も、もっと楽しんでもらいたい!

 

そんな思いがくすぶっていた富士子(45歳)。

今回、お肉フィーチャーコースが出るとわかって、色々考えました。

Facebookで、コース料理の告知したい
・ホームページでも、告知して欲しい

→「雰囲気のあるお料理の写真を一枚載せる…」とかのイメージ先行じゃなくて、
 メニュー内容やお値段といった情報も、きっちり載せて、
 お客さんに、ちゃんと検討してもらいたい


そんなわけで!

どうしたらいいかしら…と、ちょっと考えたところ…


店内で配布されている、コース料理案内のチラシの画像データを、
FacebookでUPして、HPにも載せたらどうかしら?

って思いついちゃいました。


で、さっそく!

以前、コース料理の撮影のときに、本社の販促担当者さんに名刺をもらってたので、
彼女に相談メールをしてみました!

Facebookでチラシ画像を掲載するのはどうでしょう」って。

パートのおばちゃんの分際で。

 

そしたら!

ダメって言われちゃったよー とほほー!!


自分たちで撮影した写真を使って下さい、だって。


そんなこと言われても…。
この前、撮影した写真、全部、NGだったんだもん…。

チラシの画像だったらさ、お料理の写真だけじゃなくて、
コースの内容とか、値段とか、文字も書いてあってわかりやすいから、
いいかなー、って思ったのに。


そもそも、本社が言うには…
Facebookは、お店の雰囲気が伝わるような、素人っぽい素朴さこそ大事。
だから、既存の制作物であるチラシ画像などの、きれい過ぎちゃうものは、NG。
そういうものを使いたがるより、もっと身近なネタで更新頻度を上げるように。
っつーことでした。

ふー。

ダメっすか。
そうっすか。


んじゃ、どうする富士子?

諦めたくないわ。
絶対、肉のコース紹介したいわ。

だって、あたしはFacebook担当(自称)。それも、料理長専属のね!(自称)

でも、その料理長が忙しいから、あまり負担をかけられないし…。
ま、そもそも料理長、Facebookに興味がないし…。


んんんー。

なんとか、違う作戦を考えるか…。

と、知恵を絞った富士子がどう出たか!


続きは次回!

 

明日、っていうか、今日も厨房バイトがんばるぞー。 

 

おばさんバイト、失敗してもポジティブ!


居酒屋の厨房でバイトをしてる富士子(45歳)です。


今日も、やっちゃいましたよ!
大失敗の巻ですよ!


バイト先の居酒屋は串焼きが売りで、串を焼く担当は「焼き場」って言われてるの。
あたしの担当は、「焼き場」のお手伝い。
課せられた最重要ミッションは、串の補充です。

モツ、ハツ、カシラ、などの串を、ケース一杯に詰めておく。

ま、超簡単でシンプルな作業なんですけどね。

 

今日、補充の真っ最中に、ケースを床に落っことしました。

お肉の串が床に散乱…という大惨事に。


そうねー。

10本くらい、犠牲になったかなー。


大慌てで拾い集めて、ホイルにくるんで、証拠隠滅したわっ!


ラッキーなことに…
補充の作業は、厨房とは別のフロアでやってるからねー。
だーれも、見てなかったのよ!

いやー、よかった。
冷凍庫から新しい串を運んできて、何食わぬ顔で補充を続けました。

でもさ。
ばれなきゃいい、ってもんでもないじゃない?
半年以上頑張ってるのに、まだこんな失敗するなんて、やっぱ凹むわよね。

 

でね、今日ご紹介したい本命大失敗が、こちら↓

 

補充した串のケース(4ケースもあるのよ)は、貨物用の小さいエレベーターで、
厨房のある1階へ運び、焼き場の冷蔵庫に保管するんですが。


先日のこと。
エレベーターに串のケースを入れたまま、すっかり忘れて別の作業をしちゃってました!
一時間くらい経ってから、あわてて冷蔵庫にしまってるところを、料理長(かっこいい)にバッチリ発見されちゃってねー。

「串を放っておかれるのは困ります」

って、しっかり怒られました。

すいません…。

エレベーターの中は低温度になっているので、衛生的な問題はないんですが、
怒られた最大のポイントは、「忘れてた」ってことです。

ほんと、反省してます。すみません。

 

とか言いながら!

実は、この「放置事件」の2週間後に、また同じ事件を起しちゃってるのよ!


ある日ね、串ケースがしまってある冷蔵庫を空けたら、カラッポだったの!

もう、びっくりして、「あっ!」って思わず大声を出しちゃった。

「(しまった、エレベーターに入れっぱなし!)」 ← 心の声


慌ててエレベーターを開けてるところを、キッチン男子の天使くんに見つかったんだけど…。

天使くんって、すごいのよ、奥さん!

「ヤバイ!」って顔をしてたあたしを見て、

「大丈夫ッスよ、富士子さん。誰も見てませんよ」

って、とっさに笑顔で言ってくれたのよ。
どうよ、このマッハのフォロー。

もう、危うく抱きつくところだったわよ!


それはさておき。

あたしが最も恐れるのは、料理長(かっこいい)にバレること。

料理長にだけは、バカ富士子と思われたくない!

エレベーターのところから、こっそり覗いてみると…。

なんと、彼は串ケースをしまう冷蔵庫の近くで、一服してるじゃないですか。


「(ああ、ダメだわー! ケースをしまったら、見つかっちゃうわー)」

「(ってか、さっき、「あっ!」って言っちゃった時点でバレてるかも?!)」

「(そうよ、絶対バレてるわ。冷蔵庫のそばで、「あっ!」って言ったら理由はひとつだもん)」

「(また、富士子ババアがしまい忘れかよっ!って、きっと思ってるわ…)」

「(ど、どうしよう…。絶対怒ってる。ってか、呆れてるよ。ああ、もうやだー!)」

 

もうね、軽く、錯乱状態。
エレベーター前から一歩も動けなくなっちゃった。


あたしも料理長も視界に入る位置で作業してた天使くんは、そんなあたしに再度、

「誰も見てないですって」と、言いました。

 

ブンブン頭を振る富士子。料理長のほうを指差して、声を出さずに

「見てますって!」と顔をしかめました。


すると、天使くん、料理長のほうに顔を向けて微笑んでから、

「誰も見てないですよ」と、繰り返すじゃないですか。

「富士子さん、忘れるの、夏場は気をつけたほうがいいですよ」

なんて、まるで料理長みたいなことも言い出して。


「(料理長、そこにいるじゃん!)」、って思ったけど、

「はい。すみません」

って謝って、覚悟を決めて、ケースをしまいに行くと…。


あれれ?

さっきまでいたはずの料理長が、いない!

やったー! 急いでケースしまっちゃえ!

 

ってことで、、無事に事なきを得ました。
イエーイ!ラッキー!


でもねー、後から思うと不思議なの。
なんで、料理長はいなくなってたの?

A.富士子の失敗に気が付いておらず、一服終わってトイレに行った
B.気が付いてたが、天使くんのリアクションで富士子がエレベーター前で怖気づいてるの知り、あえて姿を消した


さあ!
どっちでしょう!!


そうねー!
あたし的には、断然、B だけどねっ!

料理長ったら、なんて優しいのかしら。
天使くんも、グッジョブ!  ってことでね。


たとえ、世界中が「普通にAでしょ」って言ってもね、
あたしはBだと思って、人生を進んで行きます。ええ、はい。


どんな失敗してもね、ポジティブシンキンで立ち上がるのよ!

 

あ、もちろん、失敗は反省してます。ごめんなさい。

エレベーター放置、気をつけます。

キッチンのみんな(特に料理長)、許して!


さ、明日もがんばるわ。

 

 

おばさんバイト、バーでもバイト!

ふー。
今日は、厨房とバーのバイトよ!


なのに!
坐骨神経痛で、左足が痛い今日この頃。
気圧のせいなのか、梅雨に入って悪化したわ。とほほー。


日雇い(に近い)フリーターの富士子(45歳)です。
バイト掛け持ちで小銭を稼いでいます。


サラっと書いてみましたけど、あたしね、バーで働いてるの。

どうよ?
ちょっと凄くない?

45歳で、夜の蝶デビューしたのよ!わーお!


バー、って言うとさ。

棚に洋酒がたくさん並んでて、カウンターとボックス席がいくつか、
暗めの間接照明にジャズなんか流れちゃって、
カウンターの中には、妙齢のママがマドラー片手に微笑んでる。
もしくは蝶ネクタイの男性が執事っぽく佇んで、シェイカーなんぞを振っている。

っていうイメージじゃない?

ちょっと昭和過ぎるかしら?

今どきのバーは、きっと、夜の色気とか正装感とかはあまりなくって、
友達同士が気軽にお酒を楽しめるような、カジュアルなお店かもしれないわね。


ま、どっちにしても、よ。

あたしのバイト先は、そんな雰囲気のバーじゃないわ。
そういうバーだったら、未経験の45歳は雇ってくれないと思うの。


じゃ、富士子は一体どんな店で働いているのか?

ズバリ!

新宿ゴールデン街のお店です。


…………マメ知識コーナー 新宿ゴールデン街とは………………………
1950年ごろに闇市が移転してきたのが始まりで、飲食店の名を借りた盛大な売春街だったエリアです。売春防止法施行後に、ゴールデン街の名前がついたのですが、「ゴールデン?どこが?」って首を傾げたくなる、狭くて古い小さな建物が密集してる。売春街時代は、1階でお酒飲ませて2階で商売して、3階は店主が住んでたそうよ。1970年代は、小説家や編集者や映画監督が多く集まって酒を飲み、そこかしこで議論や喧嘩が絶えず、素人さん一見さんは入りにくい街だったみたい。今は、外国人観光客がわんさかやってくる!そこに目をつけた、一見さん向けのカジュアルなお店もできたけど、妖怪みたいなママも未だ健在。簡単に流行に乗らない・乗れない個性の強さは、ゴールデン街で飲んだり飲ませたりする人たちの持ち味よ。
………………………………………………………………………………………………

 

でね。

あたし、多分、妖怪枠で採用されたと思う。
雇ってくれたママは、あたしより一回りも若くて、この街で10年も生きてきた人。
お金儲けよりも、自分のスタイルや直感を大事にしてる。


そんなママだから、あたしの

「ここで雇って!」

っていう叫びを、

「あ、いいですよ(妖怪枠で)」

って、すぐに聞いてくれたんだと思うわ。

 


問題は、この時のママの直感が、あんまり鋭くなかった、ってことかな。


だってー!

お酒の種類が、覚えらんないのよー!
氷を割るとか、メジャーでお酒を量るとか、作業もトロいのよー!
灰皿を換えるタイミングすら、とんちんかん。


キャラが妖怪なのは良いとしても、お酒はちゃんと出さないと!

そこには厳しい、うちのママ。

連夜、しごかれてます。


今夜は、アイスピックで指を刺しませんように。

がんばります!

 

 

おばさんバイト、コースの撮影で撃沈


順調にフリーター生活を送る、富士子(45歳)です。

会社員をクビになったのが約1年前で、居酒屋の厨房バイトを始めたのが半年前。
まさかの、毎月10万円そこそこLIFE!
でもね、意外と悲壮感なく暮らしてます。
楽しく働いて、美味しくご飯が食べられればハッピー。
定期預金も、1回しか解約してないよ、今んとこ!
イエーイ!


さて。

厨房での仕込みに飽き足らず、富士子が自ら立ち上げたプロジェクト。

「お料理の写真を撮るから、お店のフェイスブックで使って欲しい」大作戦。


第三回目の撮影のチャンスがやってまいりました!
(先月だけどね)

今回はキツかったッスよー。


「明日、本社の担当者がコース料理の撮影するから、富士子さんも撮って下さい」

って、料理長(かっこいい)から、突然のミッションが!


あたしのバイト先は居酒屋なんだけど、季節ごとにコース料理を設定してる。
で、6月から、夏のコースが始まるわけ。

ぐるなびその他の媒体にコース料理を紹介するために、本社の販促担当者が
写真撮影をするってわけ。

料理長(かっこいい)は、この撮影のために、全コースのお料理を用意するわけ。

で、「ついでだから、富士子さんも一緒に撮影しちゃいなさいよ」と。

まあ、こういうわけですよ。


なんかねー。
簡単に言ってくれるけどねー。
あんた全然わかってないよ。(あんた=料理長)

無理だってー!

本社の販促担当者さまと同席して、パートのおばちゃんがお料理撮影するなんて…!
しかも、コース料理を!

一体、なんの拷問ですか?


今までの撮影はね、「一品ずつ撮影する」っていう前提で、
毎回自宅で数時間かけてシュミレーション撮影をして、やっと本番に臨んでいたのよ。

あたしの腕前じゃあね、
状況に応じて、臨機応変にセッティングなんてできないのよっ!

それなのに…

コース料理を一品ずつ全品その場で撮影し、最後にはコース全体を一枚に収めること。
本社の担当者が撮影する合間に、撮らせてもらうこと。

って、あんた!(あんた=料理長)

ちょっと、ミッションが過酷過ぎやしませんか?

もうね、軽く眩暈がしましたよ。


さて当日。

本社の販促担当者は、すごいわよ!
数万円の照明機材をお持ち遊ばされたのよ。光源バッチリだから三脚いらず!
ズームが利くカメラを手持ちして、さかんにシャッターを押してる。

どんどん運ばれてくるお料理を上手にレイアウトして、いい具合に光を当てて、
色んな角度から色んなパターンの写真を撮ってた。

さすが!  やっぱり販促担当は違うね~。慣れてるね~。

 

一方、おばさんパートの富士子はというと…

三脚とカメラを持って立ち尽くし、ひたすら感心して見てるだけ。

自分なりの工夫をする余裕もなく、ま、そもそもそんな技術もなく、
「あたしって何もできないんだわ」って思うだけ。

 

担当者が設定した専用照明と配置があまりに完璧だったので、

「このままの状態を、このカメラで撮らせてもらうのが一番良い気がします」

って言ってみたのですが…

「お店のフェイスブックの写真は、本社の写真とは違うイメージで撮って下さい」

って、もっともなことを言われ、断られました。とほほ。

 

仕方がない…

四の五の言ってられないわ、とにかく撮影しなきゃ!

担当者の撮影が済んだお皿から撮らせてもらったんだけどねー。


店内の照明が弱くて、接写しないと上手く映りこまないの。
でも、マクロレンズじゃないから、近すぎると焦点が合わないの。


ううう、どうにも、撮りようがないよぅ!

 

何とか美味しそうに写せないか、と、色んな角度を試してみたんだけど、
三脚の調節をしているうちに、どんどん時間が経っちゃう。


お肉の串焼きも、リブロースのステーキも、すっかり冷めて油が固まっちゃうし、
サラダの葉っぱはしなびちゃうし…
とどめのデザートは、ガラスの器に入ったババロア、っていう難易度の高い一品で、
こんなの、うちでシュミレーションしなけりゃ撮れないよ!

って、もう、泣きたくなったよ。うう。

 

担当者は2時間かけて撮影を終え、あたしもカメラをしまいました。

美味しそうだったたくさんのお料理も、冷めたり溶けたりしてくたびれた様子。

「お皿、厨房に戻さなきゃ…」って、ぼんやり見てたら、
なんだか、くたびれたお料理が自分に重なって見えちゃってねー。


もう、あたしもこのまま捨てちゃって!

って気分になりました。


でもね、それじゃだめよ、富士子。
気を取り直して厨房に戻って、料理長に

「うまく撮れませんでした。すみません、せっかくのチャンスだったのに」

って、素直にちゃんと謝りました。


っていうのは、真っ赤な嘘ー!!

 

「時間が経ってお料理がダメになっちゃって…」
「本社の人の邪魔になったらいけないと思ったんです…」
「本社と同じ照明やレイアウトで撮影したらダメって言われちゃって…」
「あの照明だと、お料理が白っぽくなって美味しくなさそうな気がして」
「だから、店内の照明で撮ろうとしたけど暗くって」

「そんなわけで、うまく撮れませんでした。悔しいです」

って、言い訳しまくっちゃいました! すいません!

 

もうね、徹頭徹尾、人のせいにしてた。
「あたしは頑張ったんですけどー」見たいな言い草で。

ほんっと、惨めの上塗りよね。
しょぼーん。

 

翌日、写真のデータをPCに移して、料理長に見てもらったのですが。

「使えるのはありませんね」

って、オールNGをくらっちゃいました。

やっぱり。ふーう。

しょぼーん!!

 

せっかくのチャンスだったのになー。
あたし一人の撮影だったら、絶対に出てこない豪華なお料理だったんだけどなー。
上手く撮れなかった…。
一枚も、使ってもらえなかったよ。

悔しい、悲しい。気持ちのやり場がない。

 

もやもやした気持ちを持て余すあまりに…。

オープン前の準備に余念がない料理長につきまとって、

フェイスブックの写真は販促と違うイメージで、って言われたけど難しい」とか、

「冷めちゃう前に、出来立てをすぐ撮りたかった」とか、

愚痴とも不満ともつかないことを、ぐずぐずだらだら言ってたら…。


「来週、フェイスブック用に、炭を起して肉を焼きます。焼けたらすぐに撮って下さい」

って、料理長(かっこいい)が!!

 

ええー!!
マジで?!

ちょっとー!

料理長、超絶かっこいいじゃーん。

さっすがー!

もー、あやうく惚れるところだったわよー!

 

でもね、うちに帰って、落ち着いてよく考えたらね。
あたし、「もう一回チャンス作れ」と言わんばかりのつきまといっぷりだったのよね。

調理長、単に、あたしが怖かったのかもしれないわー。

なんか…

すみませんっ!

 

ま、何はともあれ。
めでたく後日、お肉の再撮影しました。
このときの料理長、料理のレイアウトから背景の調整、構図決めまで
ぜーんぶやってくれて、しかも、焼いたお肉を食べさせてくれる、
っていう見事な男っぷりでしたのよ、奥さん!


このお肉ってね。
産地から取り寄せたブランド豚を、炭火でじんわり焼いてるんだよーん。
肉質がいいから、油の一滴まで美味しいよ!


気を良くした富士子(45歳)は、いっそう仕事に励んでます。

何があっても、七転び八起き。
えいえい、おー!

 

 

 

 

おばさんバイト、料理が下手

 

梅よ。
梅の季節よ!

田舎のスーパーじゃ、梅酒や梅干作りのキットが店頭に山盛りよ。
大きな瓶、たっぷりした笊、ぎっしりの氷砂糖、大粒の青梅。

丁寧に仕込んだら、あとは待つだけ。
待ってれば、美味しいものができるのよ。

ワクワクするわよねー!


なんつって。
実は梅酒も梅干も、作ったことがない富士子(45歳)です。
料理は、全般的に苦手です。


どうして、あたしは料理が下手なのか?

料理苦手かも…と思った20歳の頃から、ずっと考えてるんですけどね。

・頭が悪い
・センスが悪い

この2点に尽きます。

 

・頭が悪い、について

料理が上手な人って、本を見ないでお料理できるのよね。

あたしね、未だに、お料理するときはレシピを見てる。
お気に入りのレシピは、A5の紙にメモして、湯沸かし器に貼っておくの。
それで確かめながら、作ってる。
おかずをいくつか作るときなんて、メモをみないと混乱しちゃう!

味付けは自分の好みで… って言うけどさ。
好みの味にするには、まず、基本の分量を押さえておかないと!
煮物は、みりんとしょうゆとお酒。
ドレッシングは、油とお酢と塩その他。
そういう基本の分量が覚えらんなくて、毎回メモにお世話になってるの。

 

じゃあ、レシピを見れば上手に作れるか?
っつーと、全然そうじゃないの!
センスがないからダメなの。

 

・センスがわるい、について

先日、「美味しそう!作ってみよう!」と思って、撃沈した案件がこれ。

ブロッコリーとチーズとナッツのサラダ

これね、大人気ブロガー・ホマレ姉さんのレシピ。
硬めに茹でたプロッコリーに、ヨーグルトとマヨネーズのソース、
チーズとミックスナッツを一緒に和えるだけ、という、
超簡単で栄養満点でしかも美味しい(はずだった)サラダ。

これの一体どこに、撃沈する要素があるのか?! 


ずばり、ミックスナッツです。

「作ろーっと!」って思った日に、ミックスナッツとベビーチーズを買いに行ったの。
バイト先の厨房から一番近いスーパーは、「三平ストア」。
新宿サブナードに店を構えて数十年、っていう老舗よ。
色々安いけど、とりわけお肉がとっても安くて新鮮だから、近隣の飲食店スタッフも
お買い物にやってくるという有名店なの。

ここでお買い物をして、家でさっそく調理したんですけどね。

どうもねー。
食感がねー。

想像してたのと違う…

すんごい、ガリガリする。

チーズとブロッコリーはいい感じなんだけど、ナッツが固い。
超固い。異常。


よくよく、ミックスナッツの袋を見たらね。
ジャイアントコーンとピーナツしか入ってなかったの。
カシューナッツもアーモンドも皆無。マジで。

袋には、「ミックスナッツ」って書いてあるのよ。
でもね、中身はジャイアントコーン7割とピーナツ3割だけ。

これってさー。
つまみじゃん!!


「三平ストア」って、歌舞伎町と地続きだからねぇ。
その筋のお店のために、つまみ系がやたら充実してるのよね。
あたしね、つまみ系のエリアで、ナッツを買っちゃったみたいです。

 

でもさー。

「このミックスナッツ、おかしくね?」って気づくチャンスはいくらでもあったはず。

・ナッツを買ったとき
・ナッツを袋から出したとき
・ナッツを砕くとき ← 特にココ


ジャイアントコーンって、すごく固いんだよね。
奥歯でガリガリやらないと、噛めないくらい。

これをナイフで砕くなんて… 「おかしい」って思わなかったの、富士子?!
食べてからやっと、「これじゃない!」って気が付くなんて。

あんた、バカなの?

 

西日の当たる部屋で、ジャイアントコーン入りのサラダを前に、途方に暮れました。

凹むわー。猛烈に凹むわー。
レシピを見て作ったのにー。

あたし、一体何が足りないわけ?


これは欲しいナッツとは違うんだ、って気が付く頭脳? 
中身をチェックする注意力? 
このナッツじゃない、って直感するセンス? 
これじゃあ美味しく出来ない、って見通す想像力?


きっと、全部だわ。
あたし、全部、持ち合わせてないんだわ…

 

でも待って!
全部ない、っていうのはちょっと悲惨すぎるから、厳選しましょ。


注意力は、頭脳と似通ってるから同じとして、
想像力も、センスと似通っているとみなして。

だから、えーっと、あたしに足りないのは、頭脳とセンス!


で、頭脳が足りないのは、メモを見ないと料理できないことで証明済みだから、
今回はっきりしたのは、センスがない、ってこと。


そんだけ!
結論でたから悩むのヤメ。
以上!

 

ってことで。

「あたしってセンスがないんだわ」ということを
45歳にして思い知ったのでした。とほほー。

 

料理が上手な人ってねえ。
経験を積んで、しかも「一を聞いて十を知る」みたいなことができるんだよね。
そういうのが、センスだと思うんだよね。

あたしは、想像しうる限りの失敗を、いちいち経験してかないとダメみたい。
料理上手になる頃には、100歳を越えちゃうよっ。


でもね、これ以降、ブロッコリーとチーズのサラダは得意になったよ!
何度も作って、美味しく食べてます。

結果オーライ!

みんなも是非作ってみてね!

 

 

でもって。

料理下手なのを隠し通して、厨房バイトも頑張るぞー

 

 

おばさんバイト、ホールでもバイト

そろそろ梅雨入りかしら?
新宿は昨日からスッキリしない天気。

あたしの部屋は、西日がガンガンあたるの。
晴れてると、洗濯物が二毛作できちゃうのよ!
スゴイでしょ。

梅雨でもね、けっこう、いい線いける。
手ぬぐいや薄手のハンカチなら、軒下に干しとけば、わりと乾いてるわよ。
ビバ紫外線!


こんな風に書くと、わりとまめに家事をこなしているみたいだけど、
ここ数日は全然ダメでした。

やっぱねー!
たいへんよねー!

バイト掛持ち生活って!!


一つ目のバイトは、ゲイ友が経営する居酒屋「しゃかりき」のホールです。
なんつっても、これが激務。

初日で、ビールグラスを2つも割ったしね。
生ビールもうまく注げないの。泡ばっかり。

他のホールスタッフは、みんな経験者なわけ。
手も足も、チャカチャカ動く上に…


「生、一発入りましたー!!」 → 生ビールの注文が1件入った、の意

「ウーロン、リャンでーす!!」 → ウーロンハイの注文が2件入った、の意


っつって、叫びあってる。

これがねー。
あたし、全然ついていけない。

「生ビール1です」「ウーロンハイ2です」って、普通に言って欲しいっ!


「りゃん」なんて、「え? リャン? りゃん??」って何度も聞き返したよね。
見かねた厨房のハヤトさん(ノンケ・イケメン30歳)が、教えてくれました。

「マージャンの言葉で、2、っていうことなんですよ」、だそうです。

言われてみれば、聞いたことある気がするけど…。
居酒屋で使わなくてもいいじゃーん!

 

「生一発」ってのもね。
普通の生ビールじゃなくて、もっと、スペシャルな生のことかと思ってね。

「え? このビールサーバーから出していいんですか? 大丈夫ですか?」

なんて、忙しいさなかにオロオロしちゃって。

ゲイ友のナカちゃん(仮名・ピース喫煙者)に、

「んもう! 富士子、そこどいてっ!! アタシやるから!」って怒られました。

 


ねえねえ、知ってた?
焼酎割りのときの焼酎って、グラスの三分の一くらいまで入れるのね。
びっくりしたわ。
あたし、あんまりお酒強くないから、家飲みの焼酎も薄めなの。
ウィスキーかっ! ってくらい、ちょっとしか入れないの。
だもんで、忙しいと慌てちゃって、いつもの癖で自分の分量で作っちゃうんだよねー。

この前なんか、ナカちゃんが倉庫に行っちゃって、あたし一人のときに
山のようにオーダー入っちゃってさ。

ウーロンハイだの、グレープフルーツサワーだの、ハイボールだのビールだの…
すっかり混乱して、うっかり、いつもの癖が出ちゃった。

30代初頭の迫力女子5人+20歳そこそこの男子1人、
っていうアマゾネスっぽい団体さんがいたんですけどね。

「なんか、これ薄いよねっ!」
「うん、薄い薄い」

って、「そこのおばちゃん、聞いてる?」って感じでしゃべってるんで、
「やべー!こえー!」って思ってたんですけど、次のオーダーで、

「もっと濃い目で作ってください」

って、怒られました。

とほほー。

そりゃそーだ…。すみません。

 

でもって、ホールの仕事で一番辛いのは、腰痛が出ることです。

厨房のバイトも立ちっぱなしだけど、さほど動かないせいか、痛むことはないの。
その点、ホールは大変よね。客席と洗い場とお酒を作る場所を、所狭しと動き回るから。
頭の回転も速くないといけないしねー。
ホールで頑張ってる子が、どんなにすごいか、思い知りました。


で、おばちゃんフリーターの富士子は、家ではほぼゴロゴロして、モンハンやってます。
掃除も洗濯もてきとう。
だって、腰痛いんだもん。


あああ、やっていけるのか、富士子!


ちなみに、2つ目の掛持ちバイトは、バーですよ。
まさかのバーですよ、奥さん!
あたしね、バーでね「雇って!あたしを雇って!」って騒いで採用されたの。
すごくない? 
恐喝完遂ですよ。未遂で終わらなかったのよ、あたし。
かなり鬼気迫ってたんだと思うわ…。
素面に戻ったとき、血の気が失せました。
だって、あなた、45歳でバーで新人って…

バーでの富士子哀史は、いつかまた聞いてください。ううっ。


今日は、厨房バイト+バーバイトっす。

がんばります!

おばさんバイト、今度はパフェの撮影!

 

おとといの地震にはビックリしたわ!
ラーメン屋さんで春雨定職を食べてたら、いきなり揺れたのよ。

おっと。
定食よ。
なによ、定職って。

あたし、定職にはついてませんっ!

居酒屋厨房で仕込みバイトしてる、富士子(45歳)です。
フリーターです。この年で。

 


あたしの、大プロジェクト。
「お料理の写真を撮って、お店のフェイスブックで使ってほしい大作戦」


第2回目の、撮影のチャンスがやってまいりました!
(先月のことなんですが)


前回、筍とアスパラの写真で敗北を喫して以来、
何とか雪辱を果たしたいと思っていたのですが…。


そもそも、料理長(かっこいい)は、自己アピールが不得手なタイプ。

自分の作っているお料理を「美味しいです、食べて下さい」って、
フェイスブックでアピールするのなんて、全く気が進まないらしいの。

できることなら、放置しておきたい…

と思ってるらしくてね。

 

週に一度は更新するよう、本社からも言われてるのに、

「ま、来週あたりに何か考えます」

なんつって、毎週先延ばしにしてるのよ。


過去、作家の事務所で働いてた時代、多少は広報の真似事をしていたあたしとしては、
いつまでも更新されないフェイスブックやHPって、気になってしょうがない。

だって、厨房にはね…

新鮮な食材や試作中のお料理、隠れた名品や美味しい季節のメニュー。
素敵な情報がたくさん、無造作に転がっているのよ!


かといって、勝手に撮影するわけにも行かないし、
照れ屋の料理長(かっこいい)に、無理強いもできないし…。

 

「次回は何を撮りますか」 

「そろそろ、何か考えましょうか」

って、週に一度のペースで、料理長(かっこいい)にそっとプッシュ。


ようやく

「新しいデザート作るんで、撮って下さい」って言ってもらえました!


イエーイ!


新作デザートは、バナナのムースを使った苺のパフェ。
(今は苺のシーズンじゃないけど、このときは出盛りだったの)


さっそく似たようなデザートを探してきて、自宅で練習!
前回同様、シュミレーション撮影してみました。

白いクリーム、赤い苺、透明なグラス…

やっぱり、背景も白っぽいほうがいいみたい。
アップで撮った方が、映えるだろうな。
奥行きも出したいな。
背景に、もういっこパフェを置いて、そっちをぼやかすといいかな。


あああ、それにしても、料理長(かっこいい)が作るデザート!
どんなパフェなんだろう。
美味しいだろうなあー。
作ってるところ、見られるといいなー。

写真の練習してたはずなのに、気が付くとデザート妄想に浸ってる
浮かれた富士子(45歳)。


ハイテンションで試し撮りを終え、ワクワクしながら寝ました。
まるで、遠足前ですよ。

 

撮影当日。

露出も、カメラの位置も決めて、

「準備できました」

って声をかけたら…。


料理長(かっこいい)が、冷蔵庫から、冷やしたロックグラスを出してきました。
グラスの半ばまで、ムースが入ってる。

料理長はおもむろに、オレンジリキュールを浸したスポンジ生地と
スライスした苺をそっと入れました。
そこにカスタードをたっぷり入れてからバニラアイスを乗せて、
細口のボトルからチョコレートシロップを絞ってちょっと飾って、
アイスにミントの葉っぱをちょこんと乗せたら、
粉砂糖を少しだけそっと振りかけて、
表面をカラメリゼしたバナナスライスを添えて…


うわ、魔法みたい!

小さなロックグラスの中が、あっという間に
甘くて可愛いもので満たされていったのよ。

たった5秒くらいだったのよ!

ステキすぎる!!

 

すっかり見惚れて、美味しそうだなーって思ってたら…

「早く撮らないと溶けますよ」

って、料理長(かっこいい)が。


おっと!

って、慌てて撮影したのですが…

急がなきゃ、って焦ってしまって、
背景用の白い布を使うのを、すっかり忘れてました。

とほほー。

 

それでも、ま、一応は、撮れました。

でもね、普通にお店の机の上で撮った、
何の変哲もないパフェの写真になっちゃったよ…。

もうちょっと、「お、工夫してる」って感じの一枚にしたかったけど…。

その辺の演出って、もう、センスの問題だよね。

もうちょっと、場数を踏んで練習します。


とりあえずは、

・自分でシャッターを押した

・練習を生かして、背景をぼかす努力はした(布を使い忘れたけど)


この2点だけでも、進歩したと思います!
(と、無理やり)

次回のチャンスに、また頑張るぞ。

 

 

撮影後、料理長(かっこいい)が、パフェを食べさせてくれました!

やったー!!
超うれしいー!


グラスの下のムースはヨーグルトムース、カスタードはバナナでした。
甘さはぐっと控えめで、ちょこっと入ってるアイスがちょうどいい感じ。
大人にピッタリの、繊細な美味しいパフェだったよ!

お肉のコースの後に食べても、おなかに入ること間違いなし!


是非みんなにも…って思うけど、実は今週で終わっちゃうの。

次回の新作デザートは、ルドルフ先輩が担当で、パイナップルを使うらしいわ。

これも、撮影させてもらえるかな…

 

頑張ります!

 

 

おばさんバイト、新宿二丁目の友達を語る

 

バイト生活で糊口をしのぐ、富士子(45歳)です。
居酒屋の厨房で仕込みのバイトを始めて、はや半年。


仕込みのバイトだけでも、ヒイヒイ言っているのに…
なんと、居酒屋のホールでも働き始めました。

新宿三丁目の歴史ある寄席、末広亭そばの「しゃかりき」(仮名)っていうお店。

で、初日のデビュー戦、いきなりビールグラスを派手に割りました。
2個ほど。

いやー、手を怪我しなくて、良かったー!
ラッキー!


じゃないッスよね…。

ごめんなさい。反省してます。
今後、気をつけます。

 

「しゃかりき」(仮名)は、あたしの知り合いがやっている居酒屋さん。

どこ方面の知合いかって言うとね。

世界に名だたるゲイタウン、新宿二丁目の知合いなのよ!


都会で働く女性にとって、いなくてもいいけどいればありがたいのが、ゲイの友だち。
これって、実は世界共通のひそかな常識よ。

だってね。

女の人生を考えてみて!


中学高校時代は、無邪気に誰とも仲良しだった私もあなたも、
大学を経て彼氏が出来て、やがて就職をするわけでしょ。

結婚するだのしないだの、仕事辞めるだの続けるだの、子どもはどうする問題だの、
20代で色んな選択肢が降りかかってくるわけよ。

あれこれ悩むうちは、仲良しの私とあなたでいられたけど、
それぞれに違う選択をしていくうちに、だんだん、違う道を歩むようになるわけ。

仕事一択キャリアウーマン路線、あっさり専業主婦路線、共働きの子育て路線…。

キャリアウーマン路線は、自分の資質と仕事が合っているのか悩んだり、男子ほど評価されない現実にぶち当たったり、長引く不倫に消耗したり、その路線ならではのしんどさがあるわけ。

あっさり専業主婦路線も、子どもの進学にハゲが出来るほど悩んだり、深刻なセックスレス問題に破れかぶれになったり、夫の愛人騒動に追い討ちをかけられたり、色々あるわけ。

共働き路線だってね、時間に追われて自分を見失いがちだったり、子どもに目配りが行き届かなくて学校の先生に怒られたり、そうまでして働いてても子持ちは評価低かったり、もちろん、セックスレス問題はこの路線でも定番で、悩みは尽きないわけ。

結婚してれば、不妊治療を始める子もいるし。

30代にもなれば、それぞれに、得たもの、失ったものがはっきりしてきちゃう。
で、失ったもの、得られなかったものが諦められなかったりするのも、また30代。

順調なのか不調なのかよくわからないし、不安がないと言えば嘘になる。
女の人生すごろく真っ最中の、不安定シーズン。


こういう時期ってね。

うっかり本当の悩みを打ち明けづらかったりするのよ、女同士って。

本音でしゃべってると、思わぬ一言が痛恨の一撃だったりするからね、お互い。


心ならずも、相手の繊細な部分を傷つけちゃうかもしれない。

思いがけず、自分の弱い部分が傷ついちゃうかもしれない。

 

結局「大事な友達だからこそ、つかず離れずが一番いい」ってことになりがち…。
久しぶりに会っても、当たり障りのない近況報告になっちゃったり、ね。
それが、ちょっと寂しかったりして…。

ふうー…。

 

そんな、酸いも甘いも苦いも食らわざるを得ない、人生の怒涛シーズンにこそ!

はい、ゲイの友だちの登場ですよ!


何の気負いもてらいもなく、二丁目で待ち合わせして、ガーッと酒飲んで、
やってらんないのよー!!(仕事が、世間が)って、管を巻く!


二丁目で知り合ったゲイ友なら、そもそも自分で飲み歩くだけの経済力はあるわけよ。しかも、ノンケ男と違って、こっちがボトルを入れたところで「女の癖に」とか、いちいち思わない。

その上、年齢が近ければ、仕事の悩みもわりと共通してる。
社会的には男性だけど、目線は女性だったりするから、
「こんな同僚(女子)、こんな上司(男子)にウンザリ」
っていう愚痴も、もう、バッチリ理解してくれるわけ。

調子に乗って毒を吐いてると、「あんたも相当ヤな女だけどねっ!」って釘を刺してくれるのも、ゲイ友のありがたいところね。

 

セックスレス問題ときた日には、もう、大喜びで聞いてくれちゃう。
「夫婦110番」の時間よーっ!
って、知らない人まで回答を寄せてくれて、異様に盛り上がります。

 

その上ね、子どもネタも、結構イケるのよ。
自分たちが子どもだったときのエピソードを聞かせてくれて、
「それでもこうして立派に育ってるのわよ」、って励ましてくれたりして。
「立派」って、結構、意味が広いんだわ、って気づかされます。

 

仕事と家事の両立、なんて苦労も、「へえー大変だけどあんた幸せじゃないがんばりな」って、すんごく気のない感じで励ましてくれるわけ。その「どうでもいいんだけど、一応ねぎらってあげる」っていう励ましを聞いてると、本当にどうでもよくなってくるから不思議!
「自分で選んだんだし、しょうがないじゃない」って、身も蓋もないこと言われもするけど、変えようもない現実は受け入れるしかないよね、って、素直に思えてくるのよ。


もちろん、ファッションや音楽、お得なお買い物情報、お料理や洗濯と言った家事ネタ、あらゆる雑談を、いつまでもしゃべり続けてられるわよ。
女のおしゃべりは長いからねー。エンドレスよー!


そんなわけで、とってもありがたいんです。ゲイの友だち。


もちろん、ゲイ友一人ひとりだって、人生の酸い甘い苦いを経験してるし、
もしかしたら、その辺の女子以上のシンドさを抱えてるんだと思うわ。

 

だから、わかるわかる、って共感しあう癒し効果を、強く感じてるのかもしれないわね。

 

それに、女子とゲイとは似通ってるところが多いとはいえ、やっぱり性別が違う。
だから、あまり競合しないのよ。
お互い、僻んだり妬んだりすることがないの。
わりと無責任に、お互いを励ましたり褒めたり、時には貶したりして、楽しんでるの。


あたしは、結構、大事にしてます。ゲイ友。
彼らとは、かれこれ15年以上のつきあい。
二丁目に出向かなくても、家飲みで人生を語り合う熟成期に入ってます。

 

 

でもって、あたしの夜のバイト先「しゃかりき」(仮名)。

超働きやすいです!

先輩方もゲイ率が高くて、当然ハートは女子。
ヒマなときのお喋りも、超楽しい!

 

問題はね…。

肝心の仕事が、すごく辛いっ…!ってことです。

メニューを覚えられないし、ホールで注文取るのに、すごくテンパってる。
生ビールを注ぐのが、すんごく苦手。泡ばっかり。
チューハイやらハイボールを作るとか、もう、ホント無理。


でもね、せっかくだからね、頑張ります…。

 

それからね、セックスレスとか子どもの悩みとか、あたし個人のことじゃないですよ。
念のため。
いや、ホントに!


今日のバイトは、厨房の仕込です。


きゃー!
料理長(かっこいい)ー!
待っててねー!
あたし頑張るからー!!

(二丁目モード)