裏の厨房で反省してます

許して キッチン男子

金髪に染めてて怖いけど、イカしたキッチン男子

 

居酒屋の厨房で働き始めるとき、若い子ばっかりなのは覚悟してたけど、金髪には油断してた。バイト君で、金髪っぽく髪を染めて、肩まで伸ばしている若者がいたのね。肌が透き通るように白くて、眉毛が薄くて、しかも、眉毛んとこにピアスしてる。「白龍の親戚?」って感じの迫力。20歳くらいに見えるんだけど、実は30歳過ぎてるそうで、ますます正体不明。

 振る舞いも、

・わりとぶっきらぼう

・怒っているように見える

・しゃべり方がけだるい

もうね、おばちゃんは怖くて怖くて、ビクビクしながら接していましたよ。

 

ただ、この若者には、ものすごい魅力があります。

・仕事が速くて、きれい

・楽器を演奏するかのように、包丁を使う

 

とにかく、仕事の手が早いです。あたしが、ちょっと別のことをしている間に、椎茸の下ごしらえして串打ち50本分くらいは、済ませちゃう。しかも丁寧で、段取りもスマート。ホントはあたしの仕事なので、「うわすごい、速いですね。ありがとうございます!」ってなるんだけど、これ、若い女子(ヤンキー系)だったら恋に落ちちゃってもおかしくないレベルよ。

 

 

あと「ワンタンの皮を細くきざむ姿」が、超絶かっこいい。

 まな板を何度も乾いたペーパーでぬぐって、水気がないか確かめて、細かいごみも取り払う。そこに、ゆっくり皮を広げたかと思うと、おもむろにきざみ始めるの。

包丁の先はまな板に触れるか触れないか、手前の柄を細かく上下に動かしながら、しずかに左にずらしていく。腕の動きがリズミカルで素早くて、トントンっていう音も、大きすぎず小さすぎず心地よくて、刻まれたワンタンの皮はどれもきっちり2ミリ幅 。

見ていると、なんだかソリストの演奏に立ち会っているような夢見感があります。

肉や魚さばいてる姿も、リズミカルでミュージシャンのよう。

 

 

キッチン男子としてはねー、殿堂入りのすばらしさ!

まかないも美味しいし。

 

ただ、殆どしゃべったことがないので、金髪くんがどういう性格でどんな人なのか、全く謎です。プライベートも不明。とにかく怖い。

 

が、あるとき、棚に彼の名札がおいてあるのを見つけたのね。なんと名前の下に、

「横浜爆走天使」

って書いたシールが貼ってあったの。

 

これって、すごいヒントじゃない? 彼の人となりがわかる手がかりじゃない? だって、名前の下に、わざわざ貼り付けてるってことはさ、マイプロフィールってことじゃない? 自分で「天使」名乗っちゃうあたり、プロファイリングの余地たっぷりじゃない!さっそくやってみよー!

 

 

・自分が若く見えることを大いに自覚している

・自分が怖がられることも自覚している

・でもホールの女子に嫌われたくない

・実は繊細

・横浜出身だが帰れない

・暴走族と関係がある

・関係はないんだけど、ワイルドに思われたい

・本当にワイルドだったらそんなシール貼らない

・きわめて真面目な普通の男子なんだけどそう思われたくない

・要するに思いっきりシャイ

 

どれかあたってるかなー。

謎の多さナンバーワンのキッチン男子「天使くん」。今後も目が離せません。