裏の厨房で反省してます

許して キッチン男子

おばさんバイトの取り扱いに、キッチン男子が迷走中

 

20代から「おばちゃん」ってあだ名だった人、手を上げてー!

 

はーい!

富士子です。20代からカウントすると、通算25年のベテランおばちゃんだよ!

 

居酒屋の厨房バイトも、そろそろ二ヶ月が経過しましたが、まだ慣れてません。仕事はともかく、仲間意識っていうのかな、みんなと馴染んだ感がさほどありません。

あたし以外のキッチン男子は総勢6名。料理長が38歳、ルドルフは推定34歳、天使くん33歳、大久保くん(仮名)が24歳。その他、新人ほやほやの、松木くん(仮名)19歳、饂飩くん(21歳)。

 

メンバー中、ぶっちぎり最年長の富士子(45歳)。

当然、孤独です。

 

富士子の女友達には「30代後半だったら同年代じゃない?」なんつって、38歳は同じ枠とみなして良いのではないか、と前向きな見方をする呑気な人もいますが、そんなに甘くないです。

33~38歳のみなさんは、「20代メンバーの兄貴」っていう位置にいます。普段が兄貴モードな男子は、がっつり年上の中年女性と接するとき、相手を何とみなすでしょうか。

 

わかる人、手を上げてー!

 

答えは「姐さん」です。「姉さん」じゃないのよ、「姐さん」。ここ大事よ。

 

24歳以下のみなさんはね、あたしからすれば、息子枠ですよ。実際、みんなのお母さんは、あたしと同年代のはずだし。そうなると、普段の接し方にも母性が溢れてこようってもんよ。あたしからも気楽に話しかけて、出身地やら住んでるところやら聞いて和ませつつ、彼らの話におおらかに同意したり相槌を打ったり、和気藹々と平和なムード。

 

ひるがえって、兄貴枠のみなさん。とりわけ天使くん(33歳)。

新人松木くん(仮名)が、初めてまかないを作ったとき。

「松木!わかんないことがあったら、何でも聞けよ!やろうとすることがあったら、ちゃんと言えよ」と、バリバリの兄貴っぷりで、惚れ惚れするほど。

そんな天使くんですが、当初、あたしが串の準備の報告をすると、「あざーっす!」的な返事と、一礼をよこしてきてました。かなり、ビシッとしてた。ケジメちゃんと守るッス、って感じで、もう、若い衆が姐さんに挨拶している図でした。天使くんは兄貴枠ですからね、ま、組で言えば中堅幹部です。そんな幹部に礼を尽くされて、あたしは一体何なんだ、って話ですよ。松木くんに兄貴なのはいいですけどね、あたしを姐さん扱いするのはちょっと違う。あなたの後輩なんですよ、あたし。早く気がついて下さい。

 

 

それから、料理長(38歳)。

厨房で一番偉い、キッチン男子のトップですよ。キッチン番長ですよ。

そろそろ、あたしに敬語使うのやめませんか? 

それと、あたしがしまい忘れてたスモークチップとか、片付けなくていいです。フライパンも自分で洗います。優先順位つけるの下手で、迷惑かけてますけど、あたしがやるべきなのにやってないことは、「やれ!」って怒ってくれていいんです。松木くんや饂飩くんには、そうしてるじゃないですか。番長がフォローしてくれちゃうと、天使くんもそれを見習っちゃうじゃないですかー。

 

唯一、ルドルフ(推定34歳)だけがあたしを新人扱いしてくれるのですが。

指導が結構細かくてね。細かすぎてちょっとわかんない点もあるんだけど、あんまり突っ込んで質問するのもどうかと思って、料理長に確認しようかな、って思ったりもするんですけど、改まって話しかけると料理長も改まっちゃうだろうし、ちょっと億劫だなって。もうね、正直、これが一番困ってるかなー。

 

おばちゃんバイトの取り扱いに、キッチン男子がいかに迷走しているか。

おばちゃんが、いかに困惑しているか。

お分かりいただけたでしょうか。

 

 

そもそも、あたしは若い頃から老けてて、年齢よりも上に見られがちだったの。ホントに、20代で「おばちゃん」ってあだ名で、自分でも面白がって「はいよー!」なんて返事してたわ。本物のおばちゃんになった今、すっかり貫禄がついちゃったんだろうとは思うの。いや、太ってるって意味じゃないのよ、念のため。体型は崩れてますけどね。どうでもいいか。ただでさえ、年上女性って、神経使う相手。どこに地雷埋まってるかわかんないし、プライド高そうだし、怖いよね。注意しにくい相手よね。それはよくわかるわ。みんな気を使って、年上として尊重してくれてるんだって、それはよーく、わかってる。

 

でもね、聞いて。あたしだって新人バイトなのよ、一応。初々しい気持ちで働いているのよ、人生の仕切りなおしのつもりで。みんなの役に立ちたいし、そのために必要な注意やらお叱りやら、喜んで受けるつもりなのよ。「姐さん枠」っていやあ聞こえはマシだけど、要は「シルバーシート」ってことじゃない。これって、ちょっと悲しいのよ。

 

いや。ちょっと言い過ぎた。本当は、あたしが、みんなに気を使わせてるんだって、わかってます。怖がらせてるって、気がついてます。のろまでポンコツでも、みんな、我慢してくれてるんだよね。みんなに、何か注文つけるなんてとんでもないって、わかってます。でも自分でもどうしていいかわからないの。ほんと、みんなごめん。でもって、本当にありがとう。

 

クリスマスを前に、ワインのグラスを傾けながら、しんみりモードの富士子でした。

(うそ。焼酎です。)

 

24日もバイト頑張ります。