裏の厨房で反省してます

許して アタシのでたらめ人生

おばさんバイト、肉のコースをFacebookに載せたい!その2

 

毎日毎日、雨ばっかり!
ま、引きこもって考え事をするには、ちょうどいいわね。

ほぼ、その日暮らしの富士子(45歳)です。
一日の食費は1000円。
けっこう、リッチっしょ!


さて、バイト先の居酒屋さんで今月から始まった、お肉がたくさんの特製宴会コース。
これを、Facebookで紹介したい、と目論んで数日。

普通に考えたら、

コース全体のお料理の写真を撮って、UPすればいいじゃーん! いえーい!

って悩むことなく前進するところですが…。


そうはいかないんッス。

あたしが撮影したお料理の写真はすべてNGになってしまい、使えるのが一枚もない。

 

では、料理写真を使わず、コースを紹介するには、どうすればいいか?!

富士子は、ない知恵を絞って考えたよ。


この特製コースね、珍しいブランド豚をしゃぶしゃぶサラダや串焼きで食べられる上に、
和牛のサーロインもガッツリ出てくる充実のラインナップなの。

こうなったら、せめて文章でいいから、コース内容を紹介したい!

そんなら!

「お品書き」を画像にしてUPしちゃえ!

うふふ、我ながらいいアイディア。

 

っつっても、一体どうやって?
ワードで打って、画像データにする?
いやいや、お料理名を羅列しただけじゃダメでしょ。
レイアウトとか、ちょっとは考えないと。
でもさ、あたしに別にデザイナーじゃないし、そんな技量はないじゃん…。


どうする?
どうしたらいい?


あ、そうだわ!
お店には、アドバイザー大黒さんがいるじゃない!


……アドバイザー大黒さんについて…………………………………………………………
メニュー構成や仕入れ、店内装飾まで、広くコーディネイトする謎のおじさん。
営業中の厨房も手伝ってて、現場の事情に精通してる。
筆ペンを使ってメニューを手書きしてくれるんだけど、味があって超ステキなの。
体型も毛髪も豊かで、ひげを生やしてるが、チョイ悪ではない。むしろ仏系。
………………………………………………………………………………………………………


大黒さんが、筆のタッチで、和風の風格あるメニューを書いてくれたら…!
それをスキャンしてデータにして、UPできれば…!

夢が膨らむ富士子。


でもなー。あたしが頼む訳にいかないしなー。
だって、ただのパートのおばちゃんだし。
ここは手順を踏まないと。


で、料理長(かっこいい)に相談。

富士子:「コースのお品書きを紹介したらどうでしょう。チラシみたいに。
     あたしはデザインできないけど、ワードで書いてみるとか」

料理長:「デザイン? ワード? 富士子さん、やるんですか?」


富士子:「あ、いや、出来ないですけど、あの、言い出した以上は、やってみます!」


料理長:「大黒さんに頼んだ方がいいんじゃないですか?」


富士子:「えっ! いいんですかっ?」


おおお! 

「富士子にできるわけがない」という前提を利用したら、いい感じの展開に!


そして、なんと。

数日後には、大黒さんの手書きメニューのデータがあがってきた!

料理長(かっこいい)が、すぐに頼んでくれてたのよ。さっすがー!
大黒さんも、ちゃちゃっと書いてくれた上に、ちゃんとデジタルデータにしてくれたよ!
みんな、とってもやり手だよねー(あたしを除いて)。

 


「釜揚げ茶豆」
「完熟トマトのだしあん仕立て」
「萬幻豚厚切りバラ串」
「白金豚燻製ロースト」

抑揚の効いた墨の筆跡で書かれた、美味しそうなお料理の名前を眺めてたら、とっても嬉しくなっちゃった。


大きな寸胴で、色よく茹でられた湯気の上がった茶豆。
ひとつずつ、お湯に入れて氷につけて、そっと湯むきされるトマト。
何時間も前から熾した炭火で焼き上げられた、甘い脂のバラ串。
スモークしてからじっくり焼かれた、大きな豚肉の塊。

真面目で無口なキッチン男子たちが、毎日毎日、丁寧に作ってるご馳走。

あたしの夢とか希望とか、そんなものまで詰まってる、厨房のご馳走。

 

ああ、やっぱり。

やっぱり。

料理長(かっこいい)が用意した、お料理の写真が欲しくなっちゃった!

だって、お品書きだけなんて、焦らしすぎ!
お料理を見たい。
できることなら頬張りたい。
お客さんにも、そう思ってもらいたい!


こうなると、止まらないのがあたしの悪い癖。

 

次のステップを相談という形で、料理長(かっこいい)に迫る富士子。

富士子:「お品書きだけでも、充分だとは思うんですけど…。どう思います?」

料理長:「うーん。」

富士子:「やっぱり、イメージがわかないですかねー、お品書きだけだと」

料理長:「そうですね…。」

富士子:「お品書きの画像と写真と、2枚UPもできますけどね」

料理長:「何とか、写真も載せたいですね…。考えます」

 

いえーい!!

数日後には、お料理の撮影をすることが決定したよ!
一体何を撮るのかは、料理長(かっこいい)にお任せ。

ドキドキワクワクの撮影は、また次回!

 

※今日の失敗
料理長の仕込んだお肉を、冷凍庫じゃなくて冷蔵庫にしまっちゃいました。
うちに帰ってから気が付いて、慌てて連絡しました。
とほほー!