裏の厨房で反省してます

許して キッチン男子

大人なキッチン男子、大久保くん(仮名、24歳)

 

居酒屋の厨房は職人の世界。だから政治なんてない。

って、思ってたんですけど。

 

やっぱり人間が集まるとそれなりに関係性ってもんは出てくるよね。政治ってほどじゃなくても、うまくやらないと差しさわりがある、って場面は厨房にもありまして。

 

バイト先の厨房には、キッチン男子が6人くらい居るんですけどね。だてに45年も生きてないよ、あたしだって。たった二ヶ月、一日数時間しか関わってないけど、自分の仕事でいっぱいいっぱいだけど、それでも男子たちの距離やバランスが、うっすら見えてきた!

 

大人しく真面目なキッチン男子たちは、ズレた相手や食い違う場面にもポーカーフェイスで対応するので、あたしも最初はわかんなかった。でもね、うまくはまらないパズルのピースのように、調和しない空気っつーんですか、ごくごく稀に生まれるそんな空気が、おばちゃんにも感じ取れるようになって来たの。

 

そんな中で、俄然あたしが注目しているのが、大久保くん(24歳)の神対応

彼ったら凄いのよ!

 

料理長(かっこいい)がたまーに、ズレた相手について困惑のコメントを洩らすことがあるの。

大久保くん、「共感するけど、尻馬には乗らない」。

つまりね、全面的に同意するけれど、同じ土俵に立ってコメント言ったりしないの。

同意してもらえることで、料理長はまず満足するよね。しかも、大久保くんは一緒になってわーわー文句を言ったりはしないで、困ってる料理長をねぎらったりする。そこで、料理長も溜飲が下がっていつもの穏やかな笑顔に戻っていくわけです。



その一方で、ズレ男子も、不満や言い訳をこぼすことがあるんだけど。

大久保くん、「共感しているかのように優しく聞いてるけど、ノーコメント」。

つまりね、笑顔で聞いているけれど、同意はせずに、「そうなんですかー」と受け流してるの。ウケて笑ってあげたりしてね。ズレ男子も、まあ、笑い話にして終わるわけです。

 

一見すると、両方にいい顔をしているように思えますが。ちがーう!!

端から見ていても、大久保くんの気持ちが入っているのは、料理長に対して。ただ、料理長には謙虚な態度で控えめにしてる。ズレ男子に対しては、優しく聞いてあげているんだけど、聞いてるだけって悟られないようにしてる。

だから、彼自身も、決して自分にうそをついてるわけじゃないし、わざわざ計算してやってるわけでもないと思うの。

 

この辺のバランス感覚というかねー、自然な振る舞いがねー、「神対応って、こういうことだな!」って、おばちゃんは感動するのよね。だって、ホラ、あたし、会社クビになったりしてるじゃない?こういう対応は、超へたくそだからね。大久保くん(24歳)、若いのにスゲーな、大人だな。って思うわけ。一体どういうこと?親御さんはどんな方?とか、興味は尽きない!



で、おばちゃんって、基本、情報局だからね。折を見て、大久保くん情報を仕入れて、彼の神対応のひみつを調査しました。

その結果がこちら。

 

・仕事ができる 

先輩の仕事ぶりを良く研究して、お手本にしてます。見てると良くわかる。仕事ができる人は一目置かれるから、おのずと自信と落ち着きが出て、対応にも余裕が生まれるのでは。

 

・彼女がいる 

これねー、結構重要よ! 寄り添ってくれる恋人がいるのって、大きな自信になると思うの。これも、彼の余裕の秘密に間違いないわ。

 

・野球部のキャプテンだった

いやあ、これを聞いたときには、「なるほど!」ってひざを打ちましたね。持って生まれた人望とリーダーシップがあったんですね。もともと、人と関わるのが得意なキャラだったんでしょう。

 

・ご実家は商売をなさってる

ご幼少のみぎり、兄弟だけでお留守番して、夜ご飯やお風呂も、自分たちでやってたみたいです。この経験が、協力するとか円滑なチーム運営とかの原体験になったのでは?と勝手に想像。



こうしてみると、納得だよねー。

大久保くん(24歳)は、職人の癒し系キャラとして、厨房になくてはならない存在なのでした。

あたしも、彼がいるとほっとします。



まあ、欲を言えばね。あたしも、そんなキャラでみんなに必要とされてみたいよね。お荷物なおばちゃんパートのままじゃ、切ないしねー。でもねえ、ここまで書いて気がついたけどね、おばちゃん、どの条件もクリアしてなかった。まっしろ。どうする? 今から巻き返すか。

ってか、今からやるべきなのは、お風呂の支度だな。

 

あったまって、とっとと寝ます。

 

明日もバイトだー!

がんばるぞー!