裏の厨房で反省してます

許して アタシのでたらめ人生

おばさんバイト、またスモークのときやらかした

ご無沙汰してます。
どっこい生きてる富士子(46歳)です。


すっかり梅雨空ですね。
新宿も紫陽花がきれいです。

あたしもね、先日、きれいに決めました!
やらかしました!


あたしの厨房での重要ミッションに、豚バラ串のスモークってのがあってね。

火が強すぎて炎上したり、もたもた動いてキッチン男子とぶつかったり、
フライパンを洗う場所が塞がってておろおろしたり、
未だにスムーズに行くことが少ないという、インポッシブルなミッション。


桜のチップでスモークするんだけど、ちょうどいい香りをつけるには燻す時間が大事。

なので、あたしはキッチンタイマーを愛用してます。

料理長(かっこいい)クラスになると、他の作業と並行してても、
タイマーなんて使わずいい具合にスモークできるんだけど、
あたしはねー、一年以上経つけどねー、やっぱりタイマー手放せない!


先日ですね、スモーク始めてタイマーセットしてから、
椎茸や獅子唐を入れるバットを洗ってたらね。

ピピピッ!って鳴ったのよ、あたしのタイマーが。


お、きたな!って、まずはタイマーを止めたのよ。


タイマーは、キッチンの中のホワイトボードが定位置になってる。

そこに4個のタイマーがあって、キッチン男子たちがそれぞれ使ってるんだけど。


あたしは自分が使ってた熊の顔のタイマーをストップしたんだけどね。

音が鳴りっぱなしなのよ。

あれ?なんで止まらないの?
熊タイマーじゃなかったの?

で、となりの花の形のタイマーをストップ。

が、まだ鳴り止まない!

あら?このシルバーメタル色のタイマーだったっけ?

で、シルバーメタルをストップ。


れれれ?まだ鳴ってるよ?
これじゃなかったー!?


あたし、どれ使ってたっけー????

最後のライトブルー色のタイマーをストップしたら、
ようやく音が鳴り止んだ。

あああ、良かったわー、ビビッたわー


とか言ってる場合じゃないわ、火を消さなきゃ!

急いでスモークの火を止めて蓋を開けると、香ばしい匂いがあたりに立ち込めて、
ジュワーっていう美味しそうな音が響いて、
もうね、この瞬間が本当に好き!

脂の滴るバラ串を「あつつっ」と言いながらトレイにとって、
カンカンに熱くなってるフライパンを
「熱いの通りますー!」っていいながら流しに運んで、
蛇口から水を思いっきり出すと、ジューッ!!っていう高い音とともに
もくもくと煙が立つ。
大きな金束子でスモークチップを洗い流して、ピカピカになったフライパンに、
「明日も頼むぜっ!」って、心の中でエールを送る。

もうね、この瞬間も大好き!

フライパンは、調理場の上のS字フックに掛けるんだけど、
思いっきり手を伸ばさないと届かない場所にある。
狙いを定めて、「よしっ!」って引っ掛けて、一発で決まると、
これまた嬉しくってねー!

やればできる、って気分になれる!


ふー、やれやれ。

って、椎茸や獅子唐の串打ちにとりかかったわけですが…。

 

キッチン男子のアンディ(30歳)が、ふと包丁の手を止めて、
ホワイトボードのほうを見てる。

柴犬くん(23歳)も、首をかしげてボードのほうをチラ見。

ん、どした? なんかあった?

二人とも、持ち場を離れてタイマー見に行って、「あれ」とか言ってる…。


ああああーっ!

あたし、みんなのタイマー、止めちゃったんた!

やばい、どうしよう…。

いやいや、ただの一時停止になってるはず。
再開させれば何とかなるはず。


「す、すみませんっ!」っつって、とっさに二人に駆け寄り、
タイマーひったくってスタートボタン押しなおそうとしたけど…。


さっき焦って何度もストップボタン押してたせいで、
一時停止じゃなくってリセットになっちゃってた…

 

ガーン!

「ご、ごめんなさいっ! タイマー止まっちゃいましたっ!」

苦笑いするアンディ(30歳)と柴犬くん(23歳)。


そこへ、葱打ちしてたルドルフ先輩(38歳)がひとこと。

「止まっちゃった、じゃないでしょ。止めたんでしょ。」

ううう…。
おっしゃるとおりです。


うなだれてショボーンの、ショボリーナ富士子。

なんつってる場合ではない。


「すみませんでした。これから気をつけます…」

って、とぼとぼ持ち場に戻りました。

あーあ。

椎茸の串打ちやってても、

「足を引っ張ってんじゃねーよ、ババア」って声が聞こえてくる(気がする)。


もうねー。
厨房バイト2年目にして、いまだにこんな失敗ってどうよ?

ってか、これさ、若い子だったら可愛い天然で許されるよね。

しかし、こちとら46歳ですからね、天然ボケじゃなくって、ガチのボケとして
忌み嫌われるわけですよ。
やっぱババア使えねー、とか言われて。
いや、実際に言う人はいないけど、心の中では呆れているはず。

だって、あたしも20代のときに、年配のパートさんのしでかすミスに
「マジ勘弁」って思ってたもん。

因果は巡るって言うけど、真実だわ…

今、あの頃の自分の傲慢さをすごい反省してる。

 

でもでも、今日は料理長(かっこいい)はお休み!
不幸中の幸い!
あたしってラッキー!

何とか元気玉を見つけ出して、椎茸に向かったのでした。

 

※若い人にお願い※

年上には寛大な心で接しましょう。
未来のあなたの姿です。

 

早く梅雨が明けて、明るいお日さまが来ないかなー。


明日もバイトがんばります!