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裏の厨房で反省してます

許して キッチン男子

おばさんバイト、小さいけど目標ができたよ!

 

あたしの、時給950円バイト生活。
もう、半年が経ちました。

あたしね、高校生のときにも、アルバイトをしたことがあるのよ。

おしぼり屋さんで、おしぼりを袋につめる仕事。袋詰め自体は、機械がやるの。あたしの仕事は、洗濯機で洗ったおしぼりを二つに折って、ベルトコンベアーに乗せること。すると、機械からガシャン!って、袋につめられたおしぼりが出てくる仕組み。

バブル時代だったからね。すかいらーく藍屋みたいなファミレスでも、布のおしぼりを使っていたのよ。信じられないでしょ。工場は、土日祝日もフル稼働だったわ。


あれから、30年以上。

当時と変わらない時給で働く、今のあたし。

厨房の仕事は大好きだけどね。でもね、手放しで、好きって言えないところもあるの。


だって、希望がないもの。
いつまで経っても仕事が遅いあたしに、のびしろはゼロ。これ以上、何かを任されることもなく、ただ、椎茸や獅子唐を串に刺して、みんなが仕事をしているのを、ボーっと見ているだけ。


本当に、これでいいの? 富士子?

って、思わないわけでもないのよ…。

 

で、考えたわ。

時給が安いことや、将来がないことを乗り切るのに必要なのは、
モチベーションってやつじゃないかしら?

厨房で、魔法のようにお料理が作られていくのが魅力!
っていうのは、このブログでいつも書いてる通りなんだけど…

そういう、気分みたいなことだけじゃなくて…
ここで働き続ける、もっと確かで、具体的な動機が欲しい。

 

西日の当たる部屋で、ひとりで、そんなふうにゆっくり考えたの。

 

あたしは、ここの美味しいお料理が大好きよね。
ってか、自分が働いているこの店が、好きよね。
だから、フェイスブックなんてものも、割とマメにチェキしてるよね。

初めてみたとき、どう思った? 富士子。
フェイスブック、すんごい、適当じゃなかった?

なにがって…

写真が、よ!
料理長(かっこいい)が作った、お料理の写真よ!

ピントも合わず、構図もなく、第一、不味そうに見える。

これさ、悲しかったよね、見たとき。
見ちゃいけないものを見たと思って、とっさにスクロールしてたよね。

富士子はわかってるよね、キッチン男子たちのこと。みんな、お料理は上手でも、シャイで照れ屋。自己アピールなんて大の苦手。フェイスブックだって、本社の経営陣に言われて途方にくれながらやってる。だから、ケータイで簡単に撮った写真でも、疑問を持たずにUPしてる。

よく思い出して、富士子。

あの時、ふつふつ湧き上がってきたのに、心の奥底にしまった気持ちを。

あのとき、どう思った?


そう。

「あたしが、何とかしたい!!」

って思ったよね。


でも、すぐに打ち消したよね。

あたしは、しがない主婦パート。社員でもない上に、仕事も出来ない。料理長も店長も、これでよしとしてるフェイスブックを、何とかしたいなんて、とんでもない!

って、すぐに封印したんだよね。

 

でもね、よく考えて、富士子。

あんた、なんで、この厨房で働いてるの?
お金のために働くならば、もっと時給がよい仕事を選べばいいよね。
なのに、そうしてない、ってことはさ。

 

厨房が大好きなんだよね。ここの料理が好きなんだよね。

なら、大好きだからできることが、あるんじゃないの?

せっかく、大好きな厨房にいるのに、時間を切り売りするバイト生活でいいの?

 

お金のために、好きでもないことを仕事にしてる人はたくさんいるわ。
仕事を好きなんだと、自分をだまして働いている人もいる。

その点、富士子、あんたは恵まれてるんじゃない?

イヤでも向き合わざるを得ない、低い時給のおかげで、はっきりしたのよ。
好きでやってる、って。

 

だったら、よ。

時給が上がるわけでも、評価されるわけでもないけど、
好きなものに、正直になってみるのはどう?

ダメでもともとよ。失うものも何もないわ。

 

そんなふうに、薄暗い西日の当たる部屋で自問自答していたら、
なんか…

だんだん、自分の気持ちがはっきりしてきました。

 

料理長の作る美味しいお料理を写真に撮って、フェイスブックにUPしたい。
みんなに、美味しそう、って思ってもらいたい。

 

うわー、なんて大胆な。
そんな提案、「ダメ」って言われるかもしれないけど、
「はあ?何で?」って不審がられるかもしれないけど、
「プロじゃないんでしょ、別に」って突っ込まれるかもしれないけど…
「今のままで問題ないですから」って却下されるかもしれないけど…

そうなったら、すごく凹むと思うけど…


そしたらさ、
「好きなんです、ここの料理。美味しそうに撮りたいです!」
って、正直に言えばいいよ。
かっこ悪くても、気にしない!

 

確かに、写真なんて素人だよね、富士子。
だったら、まず、ウチで料理の写真を撮ってみよう。

やってみなくちゃ、わからないもの。

よし!!

 

あたしは、お料理が上手な人のブログを毎日見てるわ。みんな、お料理の写真が上手で、どれも美味しそうなのよ。見ているだけで幸せになるくらい。
あたしも、そんな先輩たちの真似をしてみよう。

よーし!!


あたしったら、いつの間にか立ち上がってた。
西日だらけの部屋の中で、一人で、なんかすごく嬉しくなってた。
ささやかで、小さい、あたしだけの目標ができたわ!

いつか、タイミングを見て、「フェイスブックのお料理の写真、撮らせてほしい」って、頼んでみよう!

だって、みんなに、美味しそう、って思ってもらいたいんだもん。


頑張れ、富士子!


あしたもバイトだわ。
どんな一日になるかしら。

あきらめないわ!