おばさんバイト、バーでもバイト!
ふー。
今日は、厨房とバーのバイトよ!
なのに!
坐骨神経痛で、左足が痛い今日この頃。
気圧のせいなのか、梅雨に入って悪化したわ。とほほー。
日雇い(に近い)フリーターの富士子(45歳)です。
バイト掛け持ちで小銭を稼いでいます。
サラっと書いてみましたけど、あたしね、バーで働いてるの。
どうよ?
ちょっと凄くない?
45歳で、夜の蝶デビューしたのよ!わーお!
バー、って言うとさ。
棚に洋酒がたくさん並んでて、カウンターとボックス席がいくつか、
暗めの間接照明にジャズなんか流れちゃって、
カウンターの中には、妙齢のママがマドラー片手に微笑んでる。
もしくは蝶ネクタイの男性が執事っぽく佇んで、シェイカーなんぞを振っている。
っていうイメージじゃない?
ちょっと昭和過ぎるかしら?
今どきのバーは、きっと、夜の色気とか正装感とかはあまりなくって、
友達同士が気軽にお酒を楽しめるような、カジュアルなお店かもしれないわね。
ま、どっちにしても、よ。
あたしのバイト先は、そんな雰囲気のバーじゃないわ。
そういうバーだったら、未経験の45歳は雇ってくれないと思うの。
じゃ、富士子は一体どんな店で働いているのか?
ズバリ!
新宿ゴールデン街のお店です。
…………マメ知識コーナー 新宿ゴールデン街とは………………………
1950年ごろに闇市が移転してきたのが始まりで、飲食店の名を借りた盛大な売春街だったエリアです。売春防止法施行後に、ゴールデン街の名前がついたのですが、「ゴールデン?どこが?」って首を傾げたくなる、狭くて古い小さな建物が密集してる。売春街時代は、1階でお酒飲ませて2階で商売して、3階は店主が住んでたそうよ。1970年代は、小説家や編集者や映画監督が多く集まって酒を飲み、そこかしこで議論や喧嘩が絶えず、素人さん一見さんは入りにくい街だったみたい。今は、外国人観光客がわんさかやってくる!そこに目をつけた、一見さん向けのカジュアルなお店もできたけど、妖怪みたいなママも未だ健在。簡単に流行に乗らない・乗れない個性の強さは、ゴールデン街で飲んだり飲ませたりする人たちの持ち味よ。
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でね。
あたし、多分、妖怪枠で採用されたと思う。
雇ってくれたママは、あたしより一回りも若くて、この街で10年も生きてきた人。
お金儲けよりも、自分のスタイルや直感を大事にしてる。
そんなママだから、あたしの
「ここで雇って!」
っていう叫びを、
「あ、いいですよ(妖怪枠で)」
って、すぐに聞いてくれたんだと思うわ。
問題は、この時のママの直感が、あんまり鋭くなかった、ってことかな。
だってー!
お酒の種類が、覚えらんないのよー!
氷を割るとか、メジャーでお酒を量るとか、作業もトロいのよー!
灰皿を換えるタイミングすら、とんちんかん。
キャラが妖怪なのは良いとしても、お酒はちゃんと出さないと!
そこには厳しい、うちのママ。
連夜、しごかれてます。
今夜は、アイスピックで指を刺しませんように。
がんばります!