裏の厨房で反省してます

許して キッチン男子

イベリコ豚のカットができません…。

 

寒いですね!

新宿は、粉雪がちらつきました。

そんな日は、さすがに客足も鈍い…と思いきや、まさかの宴会45名の予約。

串の準備に、時間かかりまくり!

 

あたしの苦手な作業はたくさんあるのですが、今、最もホットな下手くそ作業はイベリコ豚のカットです。イタリアの高級黒豚、イベリコ豚。これを串に刺して、炭火でじっくり焼くと、めちゃめちゃ美味しい! その名も「極上豚トロ」。

 

そんな高級食材だっつーのに。

あたしがカットすると、歪なこと、この上ない。どうもねー、カットする向きが間違ってるみたいなのよねー。ルドルフ先輩(38歳)や天使くん(33歳)、料理長(かっこいい)は、手早く均一なサイズにカットして、串打ちもちゃちゃっと済ませちゃうのに、あたしがやると、軽く一時間かかる上に、大きさがバラバラ。何度も教わってるんだけど、なぜか同じ具合にならないの。悲惨。

 

今日は一段と悲惨だった…。

前回、イベリコ豚カットを担当したのは、料理長(かっこいい)。

その串をお手本としてまな板に出し、何とか近づけようとする富士子(45歳)。

ひとまず、規定量の半分に着手。お手本の大きさにカットはできたけど…。肉の断面図が違ってる。料理長がカットしたのは、肉の繊維を断ち切るような断面なのに、あたしがカットしたのは、肉の繊維に沿った断面になってる。やっぱり、包丁を入れる向きが違ってるに違いない。イカン、このままでは!

 

残りの半量は、正しくカットしなきゃ!

その前に、断面図が違うお肉をどうしよう…。仕方ない、このまま串に刺していくしかない。仕上がりや味には差し障りないので、お客様にご迷惑ってことはないんだけど…。焼き場担当のキッチン男子は、焼きの調子を変えなきゃならないらしく、大変らしい…。ううう、ごめんなさい。

 

気を取り直して、残り半量の、肉の繊維の向きを観察する富士子(45歳)。

えっと、最初はまっすぐ包丁を入れて、次は斜めに入れるから、えっと、こっち向きでいいのかな? え? これでお手本どおりになる? ならない気がする…?!

と自問自答していたら。

 

心優しいキッチン男子大久保くん(24歳)が通りかかり、

「富士子さん!どうしたんですか、固まって!」

「いや、ちょっと、向きがわかんなくなっちゃって…」

「うーん、僕もだいぶ前に一度やっただけだから、わからないけど…

向きも大事だけど、大きさをもっと同じにして、きれいに刺していくといいですよ」

 

と、カットではなく串打ちについて、的確この上ないアドバイスをくれました。

 

「おっしゃる通り。もっと大きさを揃えなきゃ!」

ってんで、カットはひとまず保留にして、串打ちを手直し。

大き過ぎる部分は切り落とし、小さ過ぎる部分は取り除く。

あれ? 結構、お肉が無駄になった? 高級食材なのに…ごめんなさい。

 

「ま、とにかく、先に進まなきゃ!」

ってんで、大き目の肉が4つ刺さった串と、小さめの肉が6個刺さった串が混在しちゃったけど、1本あたりの肉は35グラム、ってのは死守して、いよいよ、残り半量のカットへ。

 

「今度こそ、正確にやるわ!」

ってんで、またまたそばを通りかかったルドルフ先輩(38歳)に、

「すみません、助けて下さい。向きを教えて下さい」ってSOSを出したのですが…。

 

肉を見て一言。

「ああ……。いいですよ、もう。そのまま置いといてください。」

 

がびーん!教えてもらえない!

って、もう、何度も教わってるしね…。何回やらせんだ、って話でね…。

 

で、でも、一応頑張ったアピール、って感じで、

「あ、あの、一応、料理長のやったのをお手本に、やってはみたんですが…」

と言い訳がましく言ったところ…。

 

「それ、イベリコ豚じゃないですよ。違う串です」

 

が、がびーん!!

確かに!違う! 国産豚の串だったー!

料理長がやった串でもなかった…。

 

もうね…。

串さえ覚えらんないのか、ってね…。

違うもんをお手本にしてどーする、ってね…。

そもそも、何度教わってもできない、って、一体どうなってるんだか、自分でも情けないのを通り越して、もはや痛々しい。

 

あたしの心にも、雪が降りました。

身も心も寒いです。

ヒュウー。

 

残り半量のイベリコ豚を冷蔵庫にしまい、スゴスゴとまな板を片付ける間に、とっくに仕事を終えていた他のキッチン男子たちは、もうまかないを食べ始めてました。

ルドルフ先輩(38歳)は、あたしが終わるまで、食べずに待ってくれました。

すみませんです…。ありがとうございます。

ホントに、ごめんなさい。

 

料理長(かっこいい)が、お休みだったのがせめてもの救いです。

あの場に料理長がいたら、居たたまれなかった。

穴があったら入りたい。ってか、自分で穴を掘って入りたい。

 

明日もがんばらなくっちゃ。

がんばれる気が全然しないけど、がんばらなくちゃ!

行け!富士子(45歳)!落ち込んでるヒマはない。

七転び八起きだ。今年の目標だ!